日本代表の収穫と課題…「ラッキーボーイに」「消えていた」「なぜなんだ」 金田喜稔がカナダ戦出場の17選手を査定

柴崎のパスから相馬が先制ゴールを決めた【写真:ロイター】
柴崎のパスから相馬が先制ゴールを決めた【写真:ロイター】

相馬は「キープレーヤーに」 ゴール演出の柴崎は「キックの精度が良かった」

<MF>
■相馬勇紀(名古屋グランパス)=★★★★☆(4つ星)
 W杯ではラッキーボーイが必要になるが、それになり得る存在。1ゴールはコンディションの良さを感じさせた。右サイドでも起用できるところを証明したし、左でも使えるので使い勝手が非常に良く、森保監督としても助かるだろう。本大会では切り札の1人としてキープレーヤーになるかもしれない。

■南野拓実(ASモナコ/→後半40分OUT)=★★★☆☆(3つ星)
 シュートも放っていたが、正直、ほぼ消えていた。最近の代表では左サイドで起用される機会が多くなっていただけに、トップ下で結果を残したかった。プレッシング面も献身的にこなしていたが、物足りなさは残った。後半40分まで引っ張ったのも疑問が残る。

■柴崎 岳(レガネス)=★★★★☆(4つ星)
 コンディションが良く、パフォーマンスも光った。相馬の先制ゴールにつながるパス、サイドチェンジなどを含めてキックの精度が良かった。欲を言えば、あのキック精度があるのだから、ミドルシュートを狙える場面では打ってほしい。打てる場面でもパスを選択していた。チームを引っ張るような積極的な姿を本大会で期待している。

■田中 碧(デュッセルドルフ/→後半22分OUT)=★★★☆☆(3つ星)
 後方に下がってボールを受けても、そこからチームとしての戦術意図が鮮明でないため、効果的なビルドアップができなかった。ただ、それはチームの約束事とも関係してくる部分。ボールを引き出す作業はできるため、あとはそこからの展開力。

■久保建英(レアル・ソシエダ/→ハーフタイムOUT)=★★★☆☆(3つ星)
 前半、久保らしいボールの持ち方から惜しいシュートを放った。ただ、左サイドでのプレーがやや窮屈そうだった。総合力は高いが、この日はそこまで効果的なプレーが見せられなかったか。途中からトップ下でも試すべきだったように思うし、そこで見たかったところ。堂安との共演も見られなかったのは残念。

<FW>
■浅野拓磨(ボーフム/→ハーフタイムOUT)=★★★☆☆(3つ星)
 負傷離脱からの復帰とあって、まずは実践で使えるレベルにあるとチェックできたのは収穫。ただ負傷の影響も完全には抜けていない。どこか気にしている印象もあったが、無理もできない状態なので仕方ない。プレスはしていたが、FWとしての怖さはなかった。

金田喜稔

かねだ・のぶとし/1958年生まれ、広島県出身。現役時代は天才ドリブラーとして知られ、中央大学在籍時の77年6月の韓国戦で日本代表にデビューし初ゴールも記録。「19歳119日」で決めたこのゴールは、今も国際Aマッチでの歴代最年少得点として破られていない。日産自動車(現・横浜FM)の黄金期を支え、91年に現役を引退。Jリーグ開幕以降は解説者として活躍。玄人好みの技術論に定評がある。

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