日本代表の収穫と課題…「ラッキーボーイに」「消えていた」「なぜなんだ」 金田喜稔がカナダ戦出場の17選手を査定
【専門家の目|金田喜稔】復帰した板倉は好材料「目処が立ったのは大きい」
森保一監督率いる日本代表(FIFAランク24位)は現地時間11月17日、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイでカナダ代表(同43位)と国際親善試合を実施。カタール・ワールドカップ(W杯)に向けた最後のテストマッチで1-2の逆転負けを喫した。「天才ドリブラー」として1970年代から80年代にかけて活躍し、解説者として長年にわたって日本代表を追い続ける金田喜稔氏が、この試合に出場した17選手を5段階(5つ星が最高、1つ星が最低)で採点した。
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<GK>
■権田修一(清水エスパルス)=★★★☆☆(3つ星)
好プレーもあったが、ハイボールやセットプレーの対応で不安をのぞかせた。ペナルティーキック(PK)での失点は致し方ない。むしろメンタル面が気がかり。所属クラブが降格して失点続きだったことが多少なりとも影響しているのではないか。シュミット・ダニエルを試しても良かった。
<DF>
■谷口彰悟(川崎フロンターレ)=★★★☆☆(3つ星)
可もなく不可もなくというのが正直なところ。1対1で予測力を生かしてボールを奪取したり、インターセプトした場面というのは少なかったが、低パフォーマンスというわけでもなかった。
■板倉 滉(ボルシアMG/→後半22分OUT)=★★★★☆(4つ星)
負傷からの復帰でコンディションを見ていたが、問題なさそうなのは好材料。ビルドアップの場面でも臨機応変に持ち上がって数的優位を作る機転が働く選手で、この日は本来のプレーを出そうとしていたし、本番でも問題なく起用できそうだ。吉田と冨安のバックアッパー的な位置づけだろうが、目処が立ったのは大きい。
■酒井宏樹(浦和レッズ/→ハーフタイムOUT)=★★★☆☆(3つ星)
激しい守備を見せ、相手に隙を見せなかった点は評価できる。攻撃面でも相馬を上手くサポートしていた。際立って良いというパフォーマンスではなかったが、攻守両面で安定していた。本大会でも問題なく起用できる状態。
■伊藤洋輝(シュツットガルト)=★★★☆☆(3つ星)
精度の高い左足のキックを持っているので、その武器を本来はもっと生かしたい。最終ラインからのビルドアップで、伊藤を起点とした展開を増やしたいところ。タイミングの良い上がりで久保のシュートチャンスもサポートしており、左サイドバックとしては及第点。後半センターバックにも対応しており、高さもあるので貴重な駒になりそうだ。
金田喜稔
かねだ・のぶとし/1958年生まれ、広島県出身。現役時代は天才ドリブラーとして知られ、中央大学在籍時の77年6月の韓国戦で日本代表にデビューし初ゴールも記録。「19歳119日」で決めたこのゴールは、今も国際Aマッチでの歴代最年少得点として破られていない。日産自動車(現・横浜FM)の黄金期を支え、91年に現役を引退。Jリーグ開幕以降は解説者として活躍。玄人好みの技術論に定評がある。