【W杯入門|ジンクス(2)】前回大会優勝国はグループリーグ敗退? 近年多発の“怪現象”…フランス代表に立ちはだかる“壁”とは
【コラム】前回大会優勝国にまつわる不吉なデータを紹介
4年に一度行われるサッカーの祭典「ワールドカップ(W杯)」は、中東のカタールを舞台に約1か月間にわたって開催。出場32か国による熱戦の数々に期待が高まるなか、世界中が注目するW杯の知識を蓄えるべく「入門コラム」をお届け。今回はW杯にまつわるジンクスとして、前回大会優勝国にまつわるデータを紹介する。
通算22回目となるカタールW杯で、優勝候補の一角に挙げられているものの2つのジンクスを乗り越えなければならない国がある。前回王者のフランス代表だ。W杯開催の直前にバロンドールを受賞した選手の代表国が過去に一度も優勝をしていない、いわゆる「バロンドールの呪い」。2022年のバロンドール受賞者となったFWカリム・ベンゼマがいるフランスには、このジンクスに加え、もう1つのジンクスが立ちはだかる。
そのジンクスとは前回大会王者は、優勝できないというもの。過去にW杯で連覇した国がなかったわけではない。1934年のイタリア大会と38年のフランス大会では、イタリアが史上初の連覇を成し遂げた。その後、58年のスウェーデン大会と62年のチリ大会ではFWペレを擁したブラジルが大会連覇を成し遂げている。
一方で、この2か国以外、連覇を果たした国は現れていない。さらに不吉なことに、2000年以降に開催されたW杯では、前回王者のほとんどが決勝トーナメント進出前に姿を消している。
まず2002年の日韓大会では、MFジネディーヌ・ジダンを擁した1998年大会優勝のフランスがグループリーグで敗退。06年大会王者のイタリア、10年大会で初優勝したスペインもそれぞれ4年後の大会ではグループ敗退の憂き目に遭い、14年のブラジル大会で開催国のブラジルを7-1で破るなど圧倒的な強さを見せたドイツも前回のロシアW杯ではグループリーグで大会を去っている。
4年の周期でチームの強さを保つことが難しいこと、前回王者として徹底的に研究されることなど、要因はさまざま考えられる。とはいえ、前回大会王者のグループリーグ敗退がこれだけ続けば、決して偶然のようには思えない。
今回のフランスは、選手としても監督としてもW杯優勝を経験したディディエ・デシャン監督の下で大会2連覇を目指す。そのなかで前回大会優勝の原動力ともなったイタリア1部ユベントスMFポール・ポグバ、イングランド1部チェルシーMFエンゴロ・カンテの2選手が、ともに怪我で欠場することが決まった。中盤の顔ぶれは大きく変わったが、この影響はどう出るだろうか。
カタールW杯では、オーストラリア、デンマーク、チュニジアと同組に入ったフランス。下馬評では、このグループを首位通過するという声が大きいが、果たして順当に勝ち上がれるだろうか。
(FOOTBALL ZONE編集部)