日本代表OBがカナダ戦のスタメンを予想 復活が「W杯の成績を左右する可能性がある」と見たキーマンとは?
【専門家の目|栗原勇蔵】冨安温存とともに“陰のキーマン”の板倉の状態をチェックへ
森保一監督率いる日本代表(FIFAランキング24位)は11月17日、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイで開催される国際親善試合でカナダ代表(同41位)と対戦する。カタール・ワールドカップ(W杯)のグループリーグ初戦に向けた正真正銘の最後のテストマッチ。元日本代表DF栗原勇蔵氏に見どころを訊いた。(取材・構成=FOOTBALL ZONE編集部)
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W杯本大会でドイツ代表(同11位)、コスタリカ代表(同31位)、スペイン代表(同7位)と対戦する森保ジャパン。脳震とうから回復したばかりのMF遠藤航(シュツットガルト)と左ふくらはぎに違和感を抱えるMF守田英正(スポルティング)がカタールに残り、MF三笘薫(ブライトン)も発熱による体調不良で合流が遅れている状況のため、カナダ戦には3人を除いた23人で臨む。
森保監督は11月16日の前日会見で、遠藤、守田、三笘に加え、DF冨安健洋(アーセナル)のカナダ戦欠場を明言した。故障者や怪我明けの選手が多いチーム状況を踏まえ、元日本代表DF栗原氏は「テストよりもW杯初戦に向けたコンディション作りの色が強くなる」と語る。
欠場者とともに、森保監督はDF板倉滉(ボルシアMG)、MF田中碧(デュッセルドルフ)、MF柴崎岳(レガネス)、FW浅野拓磨(ボーフム)のスタメン起用を示唆。11個のポジションのうち、ボランチ2枠、4バック1枠、1トップが埋まることになる。
そのなかで守護神に関して、栗原氏は「(初戦の)ドイツ戦に出る選手を使いそう」と見立て、GKシュミット・ダニエル(シント=トロイデン)ではなく、「実績と経験的」を評価して権田の可能性が高いと語った。
最終ラインは右からDF酒井宏樹(浦和レッズ)、DF吉田麻也(シャルケ)、板倉、DF長友佑都(FC東京)と予想。冨安の起用を見送ったこと、逆に左膝内側側副靱帯の部分断裂から復帰したばかりの板倉を使うことに狙いについて、栗原氏はこのように読み取る。
「冨安は少しでも不安を抱えてたら絶対に使わない。万全な状態ならハイパフォーマンスをしてくれる保証があるので。カナダ戦で無理をさせる必要はないと思います。板倉に関しては、怪我明けでどこまでコンディションが戻ってるかの確認になります。特に、板倉の復活は日本のW杯の成績を左右する可能性があるので、プレーに注目が集まります」
栗原勇蔵
くりはら・ゆうぞう/1983年生まれ、神奈川県出身。横浜F・マリノスの下部組織で育ち、2002年にトップ昇格。元日本代表DF松田直樹、同DF中澤佑二の下でセンターバックとしての能力を磨くと、プロ5年目の06年から出場機会を増やし最終ラインに欠かせない選手へと成長した。日本代表としても活躍し、20試合3得点を記録。横浜FM一筋で18シーズンを過ごし、19年限りで現役を引退した。現在は横浜FMの「クラブシップ・キャプテン」として活動している。