怪我人続出の中盤…柴崎岳が期待される役割とは? 4年前を知るベテランが示す“つなぐプレー”
【記者の目】13日の練習で代表に合流、快速FWへのラストパスを出せる重要な選手
国内組のみで始まった日本代表のトレーニングキャンプに、現地時間11月13日の練習からMF柴崎岳(レガネス/スペイン2部)とMF久保建英(レアル・ソシエダ/スペイン1部)のスペインコンビが加わった。同じタイミングでDF冨安健洋(アーセナル/イングランド1部)とMF田中碧(デュッセルドルフ/ドイツ2部)も合流したが、負傷を抱える2人は別メニューでの調整となった。
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欧州組の第1号として現地時間12日に到着していた柴崎は、合流した4人の中ではウォーミングアップからボール回し、フリーマンを付けた3対3のトレーニング、クロスからのシュート練習というすべてのメニューを唯一こなした。
DF長友佑都(FC東京)のように、常に明るく周囲を盛り立てるようなキャラクターではないが、時折、若手選手たちにも声をかける姿からは、長友の負担を取り除く役割もこなしているように感じられた。
カタールW杯のメンバーに選出された26人は、非常に若い。特にFW大迫勇也(ヴィッセル神戸)とMF原口元気(ウニオン・ベルリン/ドイツ1部)が落選した中盤から前の顔ぶれを見ると、前回のロシア大会でメンバー入りしていたのは、柴崎とMF遠藤航(シュツットガルト/ドイツ1部)の2人だけ。遠藤はロシア大会でプレーする機会がなかったため、W杯のピッチを知る存在は、柴崎しかいないのだ。
カタールW杯最終予選では、10月7日のサウジアラビア戦(0-1)で失点に直結するミスをしてしまい、続く同12日のオーストラリア戦(2-1)では先発を外れることとなった。その後も4-3-3を用いたチームで定位置を取り戻すことはできず、W杯に向けてはメンバー入りを危惧する声も少なくなかった。
それでも森保監督は、26名のなかに柴崎を入れた。常に前への決定的なパスを狙っている柴崎は、ドイツやスペインといった相手に押し込まれる展開が考えられる試合のなかで、快速FWを生かす一発のラストパスを出せる存在だ。この点に関しては、セントラルハーフのほかのどの選手よりも秀でているのではないだろうか。