日本代表、W杯スペイン戦で「必ず回避しなければならない」ポイントは? ドイツ戦との違いと付け入る隙…2人のキーマン次第か

対スペインの日本代表の戦い方はドイツ代表戦と基本的には同じ

 対スペインの日本代表の戦い方はドイツ代表戦と基本的には同じになる。

 相手のハイプレスでボールを失うようなら思うつぼなので、それは必ず回避しなければならない。日本はできれば敵陣でボールを奪いたいが、ドイツ以上にスペインからボールを奪うのは困難で、ハイプレスはむしろ日本にとってリスクにしかならないだろう。そうなるとミドルゾーンで構えてプレスし、なるべく相手のディフェンスライン近くで奪ってショートカウンターを仕掛ける戦い方になる。

 ただ、ドイツ戦と違うのは、より押し込まれてしまうこと。日本が「バスを置く」守り方になる時間が長くなる。そこからカウンターに転じるのは難しいのだが、スペインのセンターバックはドイツほどパワーがない。強力なポストプレーヤーがいれば、そこでボールを収めて攻撃に出られる可能性はドイツ戦より高くなる。高い位置で奪ってのショートカウンターなら速いFWが有効だが、スペインに対してミドルゾーンから後退させられる機会が多くなる。上田綺世、町野修斗の活躍次第になるのではないか。

(西部謙司 / Kenji Nishibe)

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西部謙司

にしべ・けんじ/1962年生まれ、東京都出身。サッカー専門誌の編集記者を経て、2002年からフリーランスとして活動。1995年から98年までパリに在住し、欧州サッカーを中心に取材した。戦術分析に定評があり、『サッカー日本代表戦術アナライズ』(カンゼン)、『戦術リストランテ』(ソル・メディア)など著書多数。またJリーグでは長年ジェフユナイテッド千葉を追っており、ウェブマガジン『犬の生活SUPER』(https://www.targma.jp/nishibemag/)を配信している。

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