【W杯入門|ジンクス(1)】大会連覇を狙うフランス代表に不吉なデータ 「バロンドールの呪い」とは?

2022年のバロンドールを受賞したカリム・ベンゼマ【写真:ロイター】
2022年のバロンドールを受賞したカリム・ベンゼマ【写真:ロイター】

【コラム】バロンドール受賞者とW杯における母国の大会成績に注目

 4年に一度行われるサッカーの祭典「ワールドカップ(W杯)」は、中東のカタールを舞台に約1か月間にわたって開催。出場32か国による熱戦の数々に期待が高まるなか、世界中が注目するW杯の知識を蓄えるべく「入門コラム」をお届け。今回はW杯にまつわるジンクスとして「バロンドールの呪い」を紹介する。

 サッカー界における個人賞として、最も権威が高いとされるバロンドール。今年はスペイン1部レアル・マドリードに所属するフランス代表FWカリム・ベンゼマが受賞したが、このバロンドールには不吉なジンクスも付きまとっている。

 その年に最も活躍した選手に贈られるバロンドール。欧州で最も旬な選手が受賞をしているのだから、その選手が所属する代表チームもW杯で良い成績を収めているだろうと思いきや、興味深いことにこれが真逆なのだ。

 1956年にフランスのサッカー専門誌「フランス・フットボール」が創設したバロンドールだが、W杯の直近に受賞した選手は、ことごとく本大会で勝てていない。論より証拠。下の一覧表を見れば、いかにバロンドール受賞者とW杯の相性が良くないかが分かる。

■受賞年/受賞者/翌年のW杯成績(母国成績)
1957年/アルフレッド・ディ・ステファノ(スペイン)/大会出場なし
1961年/オマール・シボリ(イタリア)/グループ敗退
1965年/エウゼビオ(ポルトガル)/3位
1969年/ジャンニ・リベラ(イタリア)/準優勝
1973年/ヨハン・クライフ(オランダ)/準優勝
1977年/アラン・シモンセン(デンマーク)/大会出場なし
1981年/カール=ハインツ・ルンメニゲ(西ドイツ)/準優勝
1985年/ミシェル・プラティニ(フランス)/3位
1989年/マルコ・ファン・バステン(オランダ)/ベスト16
1993年/ロベルト・バッジョ(イタリア)/準優勝
1997年/ロナウド(ブラジル)/準優勝
2001年/マイケル・オーウェン(イングランド)/ベスト8
2005年/ロナウジーニョ(ブラジル)/ベスト8
2009年/リオネル・メッシ(アルゼンチン)/ベスト8
2013年/クリスティアーノ・ロナウド(ポルトガル)/ベスト8
2017年/クリスティアーノ・ロナウド(ポルトガル)/ベスト16

 なんと前年の欧州最高の選手に選ばれた選手は、過去に一度もW杯を掲げていないのだ。相手のマークが厳しくなるのか、状態を保つのが難しいのか。いずれにしても、継続して活躍して、代表チームを勝たせることが容易ではないことを示すデータとなっている。

 こうなると俄然、注目されるのが2022年カタール大会の動向だ。ただし、今大会は勝手が異なる。これまでは欧州シーズン終了後にW杯が開催されたが、今回は新シーズン開幕後に中断期間を設けてW杯が開催される。

 通例であれば、2021年に受賞したフランス1部パリ・サンジェルマンのアルゼンチン代表FWリオネル・メッシが、この呪いに苦しむことになるのだが、今回は2022年のバロンドールが発表され、スペイン1部レアル・マドリードに所属する前回W杯優勝のフランス代表FWカリム・ベンゼマが受賞しているのだ。果たして、このジンクスはどう影響するだろうか。

(FOOTBALL ZONE編集部)

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