「試合にも出られないと思った」 大ベテランの長友佑都が右SBコンバートを受け入れた訳
FC東京のアルベル監督から左→右のコンバートを打診される
プロキャリアを続けて30歳を過ぎた選手は、それぞれの得意ポジション、得意なプレーが固まっていることが多い。カタール・ワールドカップ(W杯)のメンバー入りを果たしたDF長友佑都(FC東京)も36歳という年齢になり、左サイドバック(SB)の選手というイメージが強くあった。
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しかし、2021年9月にFC東京に復帰し、2022年から就任したアルベル・プッチ・オルトネダ監督からは、右サイドバック(SB)を務めてほしいと打診された。長友ほどのベテラン選手であれば、拒否しても不思議ではなかったが、これを受け入れた。「あの年齢になっても学ぶ姿勢や意欲は、若い選手たちにも見習ってもらいたい」とアルベル監督は絶賛したという。
代表活動に参加していたため、プレシーズンのキャンプに参加できなかった長友は、小平の練習場でアルベル監督から打診を受けた。「僕もキャリアを通して右サイドをやることはなかった。(アルベル監督からは)『プラス今までみたいに外を走るよりも、中でのプレーをやってもらいたい』と言われた。そこから試行錯誤しながら、やりました。今は、だいぶ慣れてきて、中でのプレーがだいぶ好きになりました」と、プレーの幅を広げられたとコメント。ピッチで実践するだけでなく、世界的名手のプレーも参考にしたと明かす。
「監督から求められているプレーができないと、試合にも出られないと思ったので、そこから学びました。バルサの(ブラジル代表DF)ダニエウ・アウベスのプレーを何度も見たり、(ジョアン・)カンセロとか、中に入ってのプレーを得意とするSBの選手のプレーを何度も見て研究しました」
日本代表では左SBを務めてきたが、「(左サイドは)慣れているので。むしろ右でできるようになれば、右の視野と目を使う角度も、左で生かせると思っていました」と、アルベル監督からの提案を拒否する理由にはならなかったと語った。
DF中山雄太(ハダースフィールド)の負傷による不参加もあり、今回のW杯でもこれまでどおりの左SBでの起用が有力だが、結果的に右サイドでプレーしたことにより森保一監督のオプションを広げることにもつながっている。飽くなき探求心を見せる長友が、自身4度目のW杯でどんな経験を積み上げるかも注目だ。