闘莉王、日本代表に忖度なしの言葉を発信し続ける理由「白黒はっきりが自分のポリシー」 W杯本番へ注文「もっと自分の素を出して」

「FOOTBALL ZONE」のインタビューに応じた元日本代表DF田中マルクス闘莉王氏【写真:荒川祐史】
「FOOTBALL ZONE」のインタビューに応じた元日本代表DF田中マルクス闘莉王氏【写真:荒川祐史】

【インタビュー】日本サッカーへの深い愛情「見たものをそのまま伝えていくべき」

 カタール・ワールドカップ(W杯)が11月20日に開幕する。史上初のベスト8入りを目標に掲げる森保ジャパンに、熱く厳しいゲキを投げかけているのが元日本代表DF田中マルクス闘莉王氏だ。自身のYouTubeチャンネル「闘莉王TV」では現役時代から歯に衣着せない発信を続けているが、闘将として知られる男はなぜ愛する日本代表にあえて厳しい現実を突きつけるのか――。闘莉王氏が「FOOTBALL ZONE」のインタビューに応じ、その理由を語った。(取材・構成=FOOTBALL ZONE編集部)

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 Jリーグアウォーズで功労選手賞を受賞するために帰国したばかりの闘莉王氏。クラブでの公式戦と日本代表戦通算成績で675試合出場、134得点というDFとは思えないほどの決定力を残した闘将だが、日本代表に対する遠慮なしの辛口解説でも有名だ。

 帰国後に会ったという元日本代表の北海道コンサドーレ札幌MF小野伸二からも「YouTube面白いね」と感想を伝えられたという。なぜ、この激辛とも呼べるスタイルを貫くのだろうか。

「日本代表と日本のサッカーに対する愛情は深い。でも、そこで真実をカモフラージュする必要はない。見たものをそのまま伝えていくべきだと思うのが自分の考え。いいものはいい。悪いものは悪いという根本的な白黒をはっきりさせるのが自分のポリシー。修正すべき部分を指摘せずに、そのままになっていたら改善はない。意見が違う人がいてもいいと思う。自分の意見が常に正しいわけではないし、異なる意見が間違いというわけでもない。いろいろな意見はあって然るべきですが、愛ゆえに言う。これが自分のスタンスです」

 こう話してくれた闘莉王氏。日本代表では2010年の南アフリカW杯前の選手間ミーティングで「オレたちは弱い」という熱弁で、チームメイトに現実を突き付けたことでチームは一丸になり、16強進出の原動力になった逸話は有名だ。

 今回のカタールW杯アジア最終予選で日本代表は内容ともに苦しい戦いが続いた。森保一監督にも遠慮のない苦言を呈しているが、実は森保監督は闘莉王氏のプロ入り1年目にサンフレッチェ広島で世話になったという恩人だという。

「森保さんはルーキー時代に大変お世話になった素晴らしい先輩だけど、友達でも仲間でも尊敬すべき先輩でも、ダメなところはダメと言うべき。遠慮したり、忖度して真実から目を逸らせば、相手にとって成長がない。逆に相手のためにならない。自分がミスを認めない限り、何も始まらないと思う。ミスを乗り越えなければ、人として成長はない。自分自身、現役時代に間違ったプレー選択やミスもたくさんあったけれど、そこは認めてきた。日本人は優しい。でも、本音を言わないことは本当の優しさではない。仲間でもしっかりと指摘してあげることが、本当に相手のことを考えている証拠だと思う」

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