J1札幌×清水の“レアケース”な得点事象に脚光 ゴールライン越えの選手はオフサイド判定に影響?「競技規則では…」
清水MFホナウドの得点シーン、オフサイドへの見解を検証
スポーツチャンネル「DAZN」の判定検証番組「Jリーグジャッジリプレイ」で、11月5日のJ1第34節、清水エスパルスと北海道コンサドーレ札幌の対戦で清水のMFホナウドがゴールした後半33分の場面が取り上げられた。
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この場面ではセットプレーのこぼれ球から清水がゴール前に殺到。最終的にFWベンジャミン・コロリがシュートしたボールを、さらにホナウドが押し込んでいる。この時にホナウドがオフサイドになるのではないかと議論された。
注目されるのは、一連のプレーでコロリがシュートした瞬間に札幌DF岡村大八がゴールラインのすぐ外にいたこと。この選手がオフサイドラインの判定に影響を与えるかについて、ゲスト出演した元日本代表FW田中達也氏は「現役の時にああいう場面では入らず、自分がオフサイドラインにならないようにとしていた記憶がある。でも、あの選手が中に入っていると捉えられたらオフサイドではない」と、あまり確証のない様子で話した。
また、ゲスト出演した横浜F・マリノスのMF喜田拓也も「出ている人は関係ないんじゃないですか」と、こちらも小声になりながら話した。
元国際審判員・プロフェッショナルレフェリーの家本政明氏は、このルールについて「とても珍しいケース」として「GKの左足もラインを越えている。競技規則ではプレーの一環として意図せずピッチ外に出た選手はプレーに関わっているとされる」と前提を話した。
そのうえで家本氏は、そうした状況でラインの外に出た選手がいる場合について「もし(札幌の選手が)2人もラインを出ているとすれば、オフサイドラインはゴールラインになる」と説明。「もし攻撃側の選手も瞬間的にラインの外にいたとしても、3人ともゴールライン上で並んでいるとされるので、オフサイドにならない」とした。
そのため、家本氏はこの場面については「得点を決めた選手はラインの内側にいるので、オフサイドの反則は成立せずに得点となる」と、判定は正しかったとした。この複雑な状況を見極めてオンサイドの判定を下した副審の木川田博信氏について「副審の素晴らしい判断でゴールが生まれた」とコメント。状況的にもかなりのレアケースだったようだ。
喜田は「それ(ルールを)理解しているかどうかだけでも違ってくると思う。試合を左右する結果に直結する」と話した。家本氏は「一連のプレーの中でラインの外に出てしまった選手は、よほどの重傷ということでもない限り関係ないということにはならないので、できるだけ早くピッチに戻ったほうが良い」とコメントしていた。