ソシエダ久保建英、負傷明け後のプレーに賛否 「快適にプレー」「精度を欠いた」…スペイン記者が見た“現在地”

スペインのラジオ局「オンダ・セロ」でセビージャを担当するホセ・マヌエル・ヒメネス・ベガ記者【写真:高橋智行】
スペインのラジオ局「オンダ・セロ」でセビージャを担当するホセ・マヌエル・ヒメネス・ベガ記者【写真:高橋智行】

積極的に攻撃に関与した久保、セビージャ番記者はどう見たか?

 チャンスメイクするも、無得点で終わった久保のパフォーマンスについて、スペインメディアの評価は大きく分かれる結果となった。

 クラブの地元紙「エル・ディアリオ・バスコ」は、「ボールを持った時、最も突破力のある選手だった。3回チャンスを作りセルロートとシルバに好パスを出したが、オフサイドに何度もかかるシーンがあった」と寸評し4点(最高5点)と高評価を下している。

 もう1つの地元紙「ノティシアス・デ・ギプスコア」は「非常に多くのチャンスがあり、そのうちの何回かは彼から生み出されたが精度を欠いた。正しい判断を下せなかったが、ゴールを決めなければいけなかった」と決定力不足を指摘し5点(最高10点)とした。

 スペイン紙「AS」はこの日ピッチに立った選手の中で最多4本(枠内)のシュートを積極的に打つも、決めることができなかった久保に対し、チーム唯一となる最低の0点(最高3点)をつけ、スペイン紙「マルカ」の評価は1点(最高3点)だった。

 スペインメディアの評価が分かれるなか、対戦相手側のメディアは久保のパフォーマンスをどう見たのだろうか。スペインのラジオ局「オンダ・セロ」でセビージャを担当するホセ・マヌエル・ヒメネス・ベガ記者は次のように振り返った。

「序盤から出場したが、自分の望むようにスペースを見つけ、快適にプレーしていたように見えたし、何度もチャンスを作っていた。タケ・クボがラ・リーガで活躍できるクオリティーを備えていることは誰もが分かっている。監督から求められていることを忠実にこなしていると思うし、おそらく今季、レアル・ソシエダに喜びを与えてくれる選手になると思う」と好意的に捉えていた。

 また同記者は、エースのFWミケル・オヤルサバルの復帰が近づいていることにも触れ、「W杯には出られないと思うが、彼はラ・レアル(※レアル・ソシエダの愛称)にとって非常に重要な選手だ。おそらく彼が復帰した場合、タケから出場時間を奪うことになるだろう。しかしラ・レアルはW杯後も3大会に参加し多くの試合があるので、今後も多くの出場時間を与えられるはずだ」との見解を示した。

高橋智行

たかはし・ともゆき/茨城県出身。大学卒業後、映像関連の仕事を経て2006年にスペインへ渡り、サッカーに関する記事執筆や翻訳、スポーツ紙通信員など、スペインリーグを中心としたメディアの仕事に携わっている。

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