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チェルシーがリバプールに逆転勝利 明晰な頭脳を持つ師弟対決はモウリーニョに軍配
先制点を生んだロジャーズの初手
アンフィールドのピッチは、2人の名将によってチェスの盤上と化した――。
アウェーの地に乗り込んだチェルシーは8日、プレミアリーグ第11節でリバプールから2-1の逆転勝利を収めた。ブルーズは、2位に勝ち点4差をつけて無敗と首位を守った。対するリバプールは、リーグ2連敗となり、順位も8位まで転落した。
戦力、勢い、状況などの観点から見ても、チェルシーの勝利は妥当ではある。だが、両指揮官の細部での駆け引きが、この試合の面白さとなった。
まさにチェスのような試合だった。リバプールのブレンダン・ロジャーズ監督の用意周到な「事前準備力」は素晴らしかった。だが、試合の局面を打開した、チェルシーのジョゼ・モウリーニョ監督の「臨機応変力」には及ばなかった。
試合開始直後、主導権を握ったのは、4-1-4-1システムで試合に臨んだリバプールだった。ロジャーズは、中盤の底にMFスティーブン・ジェラードを配置させた。相手のMFオスカルのマンマークにあったが、キャプテンがその負担を請け負うことで、2列目の選手たちを輝かせる狙いがあったのだろう。インサイドハーフでプレーしていたMFジョーダン・ヘンダーソンと、MFエムレ・カンは前線で躍動した。
チェルシーの中盤の右に入ったMFラミレスは、開始から度々中央に絞っていた。そのためリバプールの左サイドで張るMFラヒーム・スターリングのマークが空き、センターハーフのMFネマニャ・マティッチが引っ張られる時間が続いた。それによって中盤にスペースが生じていた。
試合開始時、ヘンダーソンが左に、エムレが右に位置していた。だが、エムレの推進力を最大限に生かすため、インサイドの両者は早い段階でポジションを入れ替える。この機転が先制点を生み出した。
マティッチがスターリングに引っ張られた瞬間、その空いた中盤に位置していた背番号「23」にボールが渡る。エムレは、力強いドリブルから、勢いそのままにシュート。相手DFにディレクトしたものの、ボールはネットへと吸い込まれた。
リバプールは、ロジャーズの準備した戦術がはまり、首位のチェルシーから先制点を挙げた。しかし、相手ベンチで戦況を見つめるモウリーニョは黙っていなかった。