スペイン人ファンを直撃 W杯で対戦する日本代表の“現地リアル評価”は? 「クオリティーは高いが…」「間違いなくアジア最高」
「守田英正は守備が上手くて視野が広い、パスに優れたMF」と好印象
2人目は、父や祖父の故郷のクラブである、セグンダRFEF(スペイン4部)のコンポステーラを応援するエクトール・マセイラス氏。「日本代表はアジア最高のチームだ。組織的にプレーし、90分間休むことなく戦い続けることができる、という印象が強い。日本人選手の特徴は献身性、闘争心、スピード、チームワーク、そしてクオリティーの高さだと思う」と分析している。
そして選手個人について「例えば守田(英正/スポルティング)は守備が上手くて視野が広い、パスに優れたMFだ。ガク(柴崎岳)はプレーの質が高く、久保はドリブル、得点力、そしてチームプレーに優れている。南野もそれに近い」と印象を語った。
3人目は、家族全員がマドリディスタ(※レアル・マドリードサポーター)のダニエル・カマラ・カバジェロ氏。「日本代表は年々、各国にとって危険な存在になってきている。欧州でプレーする選手が増えてきていることからも、レベルが上がってきていることが窺えるよ。間違いなくアジア最高のチームだ。W杯でサプライズを起こすチームの1つになるかもしれない」と高く評価した。
続けて、「今、スペインには久保や柴崎などがいるだけで、日本人はあまり多くないが、以前は岡崎や乾も在籍していて、そのおかげで私たちは多くの日本人選手を知ることができた。香川(真司)や長友(佑都)がまだプレーを続けているのかは分からないけど、私は中田のプレーが好きだった。例えば『キャプテン翼』のように(笑)、日本人選手の多くはスピードとテクニックを兼ね備えているので、私はそのプレースタイルをとても気に入っているよ」と意見を寄せてくれた。
スペインは絶えずワールドクラスの選手たちが集うサッカー大国であるため、どうしても国外の選手をずっと追い続けること、さらに日本人選手となるとなおさら難しい。しかし、そんななかでもスペインサッカーを幼少期から肌で感じながら育ってきた目の肥えたサッカー通たちから、予想していたよりも多くの日本人選手の名が挙がったことに正直驚いた。
またダビド・ゴンサレス・サンタマリア氏が「ドイツは非常に難しい相手だけど、日本とスペインが一緒にラウンド16に進出できればいい」と締めてくれたことに感謝したい。W杯開幕が刻一刻と迫るが、スペインに住む日本人として、日本とスペインが揃って決勝トーナメントに進出できることを切に願っている。
(高橋智行 / Tomoyuki Takahashi)
高橋智行
たかはし・ともゆき/茨城県出身。大学卒業後、映像関連の仕事を経て2006年にスペインへ渡り、サッカーに関する記事執筆や翻訳、スポーツ紙通信員など、スペインリーグを中心としたメディアの仕事に携わっている。