Jリーグ最優秀ゴール賞の広島MF川村拓夢が感じた手応え 青山敏弘と指揮官から贈られた言葉「一気に自信が付きました」

2022年の後半戦にかけて自信を感じることができたと語る【写真:徳原隆元】
2022年の後半戦にかけて自信を感じることができたと語る【写真:徳原隆元】

試合後に号泣「ずっと涙がこぼれそうになりながらプレーしていました」

――今年はJ1デビューシーズンでもありましたが、難しさは感じましたか?

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「僕はこの3シーズン、J2でやってきて、特に強度の部分はすごく違っていたなと感じました。日本と海外は違うなんて話もよく聞きますけど、僕にとってはJ1とJ2の差もすごく大きく感じました」

――シーズン前半戦は大きな怪我もあってピッチに立てない日々が続きました。J1初ゴールを決めた鹿島戦の終了後には感情が露わになる場面もあり、苦しんでいたことが伝わってきました。

「そうですね。僕はこのサンフレッチェというクラブを見て育ってサンフレッチェで活躍するために愛媛で3年間やってきましたけど、シーズン序盤に怪我もあったので、自分にとってあのゴールはすごく大きなものでした。得点を決めてから、まだ10分ぐらい残っていたんですけど、ずっと涙がこぼれそうになりながらプレーしていました。それまでの半年間の出来事を思い出したりして、試合後には号泣してしまいました」

――泣いている川村選手をユース時代の同期であるGK大迫敬介選手とMF満田誠選手が慰めるシーンもありました。こうした同世代の選手の存在が刺激になっているそうですね。

「満田と大迫は、今年はE-1選手権で代表にも入りましたし、自分が怪我してる時にも2人は活躍していました。それが自分のモチベーションになっていたんです。本当に頼もしくて、彼らには感謝しかないんです」

――同期の活躍に焦りや悔しさを覚える選手もいると思いますが、そこで感謝という言葉が出てくるのが川村選手らしいと感じます。

「もしかしたらプロとして失格かもしれないですけど(笑)。でも、ユースの時から一緒にやってきた2人が代表に選ばれたのは本当に嬉しかったです。マコ(満田)は優秀選手にも入ったり、本当にいい刺激をもらっています」

――今年は個人としてもチームとしても酸いも甘いも噛み分けるシーズンとなりましたが、最後に来シーズンに向けての意気込みを聞かせてください。

「今年は後半戦にかけて僕自身も成長を感じることができましたけど、天皇杯では自分がPKを外して負けてしまったり、迷惑をかけてばかりでした。だからこそ来シーズンはチームをもっと助けたいなと強く思いました。今年はルヴァンカップで優勝できましたけど、Jリーグは3位、天皇杯は準優勝だったので、来シーズンは3つ獲りたいなと思います。個人的なところではまずは1年間を通して試合に出ること。数字的には、来年も5得点以上は取りたいです」

[プロフィール]
川村拓夢(かわむら・たくむ)/1999年8月28日生まれ、広島県出身。サンフレッチェ広島ジュニアユース―広島ユース―広島―愛媛―広島。2018年に広島の下部組織からトップチームへ昇格。翌年から3シーズン、愛媛への武者修行を経て、今季から広島へ復帰した。正確なキックと展開力を武器に、22年のリーグ第24節鹿島アントラーズ戦でJ1初ゴールをマーク。第28節の清水エスパルス戦で2ゴールを奪うなど、今季16試合3ゴール。ルヴァンカップ決勝に先発出場し、悲願の大会初優勝に貢献した。

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