川崎GKチョン・ソンリョンの一発退場、“起点プレー”のファウルの有無を選手はどう感じた? 「取って欲しいとなるが…」
「ジャッジリプレイ」出演の横浜FM喜田は「ファウルでも納得感があるし、ノーファウルでも仕方ない」と言及
スポーツチャンネル「DAZN」の判定検証番組「Jリーグジャッジリプレイ」で、11月5日のJ1リーグ第34節、川崎フロンターレ対FC東京の前半29分に川崎GKチョン・ソンリョンによるFC東京FWアダイウトンに対するファウルが、決定的な得点機会阻止(DOGSO)として退場処分と判定された場面が取り上げられた。
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この場面では自陣からFC東京のMF塚川孝輝からロングパスが送られ、抜け出したアダイウトンがペナルティーエリア外の左45度付近で飛び出してきたチョン・ソンリョンに倒された。
レッドカードの判定については、ゲスト出演した元日本代表FW田中達也氏や横浜F・マリノスのMF喜田拓也、元国際審判員・プロフェッショナルレフェリーの家本政明氏を含む出演者全員が満場一致で同意。一方で、このプレーの起点は塚川が川崎MF橘田健人と接触しながらボールを奪い取った場面であり、これが塚川のファウルであるかが議論の中心になった。
家本氏はビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)の運用方法として、塚川のファウルがあれば得点を取り消してチョン・ソンリョンの退場もなく、川崎のフリーキック(FK)として再開できるとした。そのうえで、塚川と橘田のプレーが出演者たちで議論された。
塚川はボールをキープしようとする橘田の背後から接触する形になったが、接触の強さや橘田が臀部を塚川のほうに出す形になっていることも要素に挙げられた。田中氏は「ボールには触っていないように見えるのでファウルかなと思いますが、当たり方の強さは許容範囲、接触の範囲内かと思う」と話した。
喜田は「橘田選手の視点だと保持している感覚だと思う。前にも入っているし、背中側からのタックルで(ファウルを)取って欲しいとなるだろうし、僕もその気持ちは理解できる」としたうえで、「塚川選手のタックルの強さや行き方を見てもそこまで悪質ではないので、ファウルでも両チームとも納得感はあるだろうし、ノーファウルでも仕方ない。一番大事なのはレフェリーの方の傾向やコミュニケーションを取りながら、こういうものは取らないということなら、そうなる。それをいち早く掴むのが大事」と話した。
家本氏は「本当にどちらとも言える」としたうえで、「競技規則では全てのコンタクトが反則にはならないとされている。相手がボールに向かっていることは分かっている時にコンタクトがあり、川崎の選手は少しお尻が出ていてコンタクトを受けた時に前に転びやすい形になっているとレフェリーが見た可能性がある」とコメント。そして、「東京の選手は直前だったので勢いが止められずにコンタクトした」と指摘し、それにより「フットボールコンタクトとも十分に言えるし、最終的には止められず相手に力を与えたとも言える」と、ファウルとノーファウルのどちらの判断材料もあるとした。
また、誰もがハッキリとファウルだと判断するようなプレーではないことから、VARも主審の判断をフォローする場面になると家本氏は説明していた。