元スペイン代表レジェンドMF、日本代表は「走力のあるチーム」と警戒 カタールW杯展望「スペインを苦しめると確信している」

バラハ氏が日本代表に言及【写真:ロイター】
バラハ氏が日本代表に言及【写真:ロイター】

グループリーグ展望「日本とコスタリカもいいものを持っている」 大会の注目選手は?

――カタールW杯のグループリーグには、ドイツ、日本、コスタリカがいる。どうなると思う?

「論理的に考えて、ドイツとスペインがグループの有力候補になる。だが下のチームにも十分な注意を払わなければならないだろう。なぜなら今回のW杯はこれまでのどの大会とも違う。まず選手のコンディション。これまでのW杯はシーズンが終わってから行われていたが、今回はシーズンの途中で選手たちの怪我が考えられ、戦力低下が起こる。あと天候や湿気への対応も決定的な要素になるだろう。日本とコスタリカもとてもいいものを持っている」

――最近の日本サッカーのことは何か知っている?

「日本のサッカーが発展していて、ヨーロッパでたくさんの日本人選手たちがプレーしているのは知っているし、それがより競争力のあるチームにしている。日本は走力のあるチームだろうし、スペインを苦しめるだろうと確信している」

――大会の優勝候補は?

「3、4チームが優勝候補になる。まずはフランス代表。素晴らしい選手たちがたくさんいて、彼らの多くがキャリアで重要な時期に差し掛かっている。若手とベテランのバランスも良く、単に11人だけではなくベンチにも十分なポテンシャルがある。次にアルゼンチン代表。常に優勝候補だが、今回はリオネル・メッシが最後のW杯になると言っていて、夢の達成に向けて全力を尽くすだろう。ドイツも同じように常に上位を狙う存在でレベルが高い。ブラジル代表も強力。この4チームが一番チャンピオンに近いところにいる。スペインは第2グループだけど大きなことを成し遂げることができる。それでも調子の上下や(有力チーム同士の)直接対決、ベスト16やベスト8あたりで難しい状況になった時に、今言った序列が変わることもあり得る」

――大会で注目する選手はいる?

「アルゼンチンだったらメッシ、ブラジルはネイマール、フランスならキリアン・ムバッペがチームを象徴的な選手。スペインにもいい選手はいるけど、誰かがそのほかの犠牲の下で際立つということはなく、全員が監督の望むサッカーをする。それがチームを大いに助けることになるかもしれない」

[プロフィール]
ルベン・バラハ(Ruben BARAJA)/1975年7月11日生まれ、スペイン出身。バジャドリードB―バジャドリード―アトレティコ・マドリードB―アトレティコ・マドリード―バレンシア。ラ・リーガ通算338試合47ゴール(公式戦通算581試合98ゴール)。スペイン代表通算43試合7ゴール。現役時代は、高精度のキックと卓越した展開力に加え、高い守備力も兼ね備えたMFとして活躍。バレンシア時代には、31年ぶりのリーグタイトルを含めリーグ優勝2回、UEFAカップ(現UEFAヨーロッパリーグ)優勝1回、コパ・デル・レイ(国王杯)優勝1回に貢献した。2002年日韓W杯に出場するも準々決勝の韓国戦でPK戦の末に敗退。2010年に現役引退後、エルチェ、ラージョ・バジェカーノ、スポルティング・ヒホン、テネリフェ、レアル・サラゴサなどで監督を歴任した。

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島田 徹

1971年、山口市出身。地元紙記者を経て2001年渡西。04年からスペイン・マジョルカ在住。スポーツ紙通信員のほか、写真記者としてスペインリーグやスポーツ紙「マルカ」に写真提供、ウェブサイトの翻訳など、スペインサッカーに関わる仕事を行っている。

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