本田の「ミランは見破られている」発言が思わぬ余波 地元記者からは同情の声
「何も悪いことは言っていない」
ACミランのFW本田圭佑は、9日の2-2のドローに終わった、敵地サンプドリア戦前に戦術批判とも取られかねない発言をした。そのことに、番記者が同情の声を上げた。
地元ラジオ局「ラディオ・ラディオ」のルカ・ウッチェッロ記者は「インザーギは怒ってはいけないだろう。でも、そういうフレーズは、ミランと監督と本田の関係を難しくさせたかもしれない。結果がうまくいっていない時期には、確実に避けた方がいいフレーズだった」と語った。
本田は、サンプドリア戦前に行われたドイツ大手家電メーカーの「ブラウン」とミランの業務提携記者会見でこういった趣旨の発言を残した。
「対戦相手がすでにミランの攻撃パターンを見破っているから、何か変えなければならない」
フィリッポ・インザーギ監督は、試合前の会見で記者たちからそのことについて発言を求められると、本田を擁護した。
「本田は間違って、彼が言った言葉を表現されたのだと思う。なぜなら彼は何か問題があればすぐに監督に言ってくる。彼には、とても満足しているし、この戦術でまさに彼は活躍できている」
本田は、インフルエンザから回復直後のサンプ戦では今季最短の後半14分での途中交代となった。同記者は発言の影響について「それはない。技術的な交代。本田はすべての試合に先発していたからフィジカル面で苦しんでいる」と説明。交代理由は、本田のコンディションと戦術面による判断だったという。
これでミランは4試合連続で勝ち星から遠ざかっている。それだけに、地元イタリアで本田の“戦術見破られた”発言が思わぬ余波を生んでしまったのだ。
「本田は、インザーギも、ミランも難しい状態にはしたくはなかったと思う。“勝ちたいのなら、ミランは何か変えなくてはならない”と何も悪いことは言っていない。真実を言った。ただ、実際の言葉よりも、大げさに表現されたのだと思う。今うまくいっていないミランにとっては、むしろ騒音に聞こえてしまうけど、悪いことは言っていない」
本田の率直さが、ミランの直面する壁を正確に表現してしまった。4試合ゴールのない本田と、歩調を合わせて勝ち星から遠ざかるミラン。本田の言葉通り、メンバーもしくは戦術の変更が必要になってきた。
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サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images