浦和のタイトル奪還「現実的ではない」 退任ロドリゲス監督、リーグ優勝の設定に疑問符「正しくなかったと思う」
リーグ最終戦後、浦和を指揮した2シーズンを総括
J1浦和レッズのリカルド・ロドリゲス監督は、今季限りでの退任が発表されている中で迎えた11月5日のリーグ最終節、アビスパ福岡戦を1-1の引き分けで終えた。試合後に「より良くできた可能性も十分にあったかもしれないが、全体的に見れば良くやったと思う」と自身の2年間の歩みを振り返る一方で、今季がリーグ優勝を最優先目標とするというクラブの設定について「現実的なことではなかったと思う」と指摘した。
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ロドリゲス監督は前日のオンライン会見で、この日のゲームに対して8月のAFCチャンピオンズリーグ(ACL)決勝トーナメントを勝ち抜いた時期の良い姿を再び見せることをテーマに置いていた。現時点でのコンディションや日本代表DF酒井宏樹の出場停止も加味したうえでそれに近いメンバーを組んだが、攻めあぐねる試合展開になった。
結果的に、後半にDF岩波拓也が強烈なロングシュートを決めて1点を奪うも、直後に同点ゴールを許して引き分けに持ち込まれた。これで浦和は10勝15分9敗の勝ち点45、9位でシーズンを終えることになった。優勝した横浜F・マリノスには前節に1-4の完敗。34試合で9敗は2位で終えた川崎フロンターレの8敗と1つしか変わらない。しかし、川崎は20勝を挙げているだけに、引き分けの多さによる10勝差は勝ち点21と7つの順位の差に表れた。
浦和は2019年末に3年計画を掲げ、今季はリーグ優勝を最優先目標に設定していた。ロドリゲス監督は「全員を納得、満足させることはできない。私を批判するグループがあるのは理解しているし、受け止めないといけない。それを私が責任を負わないといけない」と、この結果と自らの責任について話している。そのうえで「クラブが抱えた期待値は大きかった。掲げたものが、監督と選手が大きな代償を払う形になってしまったと思う」と、目標設定の妥当性には疑問を呈している。
「彼らはタイトル争いをするのに年月をかけてスタイルを構築してきた。メンバー構成、このスタイルでやる中で適切な選手が見つけられたのか。そこに関してはマリノスやフロンターレと差があったと思う。プロセスが最大の違いかと感じる。プレシーズンに若手の木原が唯一のFWだったが、これが優勝を掲げるうえで果たして現実的なのかと言えばそうではない。我々にとって良い選手ではあるが、それが適切だったのかどうか。プロセス、時間が足りなかったところだと思う」