今季J1でブレイクした「注目ヤングタレント8人」 “遠藤航の後継者”らカタールW杯後のA代表入りへ期待の逸材たち
神戸DF小林は左利きのCBとして逞しく成長、セルティックも熱視線の注目株
■佐々木雅人
(柏レイソル/GK/2002年5月1日生まれ、20歳)
今季リーグ成績:19試合0得点
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前守護神のキム・スンギュの高い壁を越えるために、期限付き移籍の道を選ばずに柏の地に残ったと語っていた佐々木だが、奇しくも、その偉大な韓国人GKがサウジアラビアのアル・シャバブに移籍することでポジションが空いた。勝ち取ったものではなく、こぼれてきたチャンスではあったが、非凡なセンスを感じさせる反応はもちろん、機敏性を生かしたフィールディングでも存在感を高めた。波に飲まれて大量失点した試合もあるが、ここから真の守護神としての評価を勝ち取り、鈴木彩艶(浦和レッズ)とともに、谷や大迫敬介(サンフレッチェ広島)に追い付き、追い越す成長を見せてもらいたい。
■藤田譲瑠チマ
(横浜F・マリノス/MF/2002年2月16日生まれ、20歳)
今季リーグ成績:28試合1得点
東京ヴェルディ、徳島ヴォルティスで経験を重ねてきたなか、最終節まで優勝を争っている横浜F・マリノスで非凡なセンスに力強さが加わってきた。やはり常日頃から喜田拓也や渡辺皓太、センターバックを兼務する岩田智輝、年下ながらセンス抜群の山根陸といったハイレベルなMFとしのぎを削っていることもあり、判断スピードはこの世代でも群を抜く。E-1選手権でもMVPの相馬勇紀(名古屋グランパス)を除けば、最も活躍が目立った1人だろう。ボールを奪う、チャンスを作る、シュートを決めるといった実力がもう一、二段上がってくれば、真の意味で欧州組も含めたフルメンバーのA代表入りが近付いてくる。
■小林友希
(ヴィッセル神戸/DF/2000年7月18日生まれ、22歳)
今季リーグ成績:31試合0得点
今季、横浜FCからレンタルバックしたセンターバック(CB)にとって、おそらく忘れることができないシーズンとなった。思わぬ残留争いを強いられた神戸は元ベルギー代表DFトーマス・フェルマーレンの現役引退、さらに主力として期待されたCBの負傷など、当初は押し出される形でスタメン起用された実情もあるかもしれない。ミスや粗さも散見されたが、試合を重ねるごとに逞しさを増して、特にJ1残留を決定付けた10月1日のアビスパ福岡戦(1-0)からの3試合連続クリーンシートは彼なしに語れない。もともと貴重な左利きのCBとしてビルドアップは注目されていたが、守れる男になってきた。スコットランド1部セルティック移籍の報道も出ているなか、引き続き注目していきたい。
(河治良幸 / Yoshiyuki Kawaji)
河治良幸
かわじ・よしゆき/東京都出身。「エル・ゴラッソ」創刊に携わり、日本代表を担当。著書は「サッカーの見方が180度変わる データ進化論」(ソル・メディア)など。NHK「ミラクルボディー」の「スペイン代表 世界最強の“天才脳”」を監修。タグマのウェブマガジン「サッカーの羅針盤」を運営。国内外で取材を続けながら、プレー分析を軸にサッカーの潮流を見守る。