今季J1でブレイクした「注目ヤングタレント8人」 “遠藤航の後継者”らカタールW杯後のA代表入りへ期待の逸材たち
大卒ルーキーながら8ゴール、広島FW満田は最もブレイクした1人
■満田 誠
(サンフレッチェ広島/FW/1999年7月20日生まれ、23歳)
今季リーグ成績:28試合8得点
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1999年生まれということで、大卒ルーキーからの特別枠だが、間違いなく最もブレイクした1人だ。サイズは大きくないが、攻守の強度が非常に高く、質の高いスプリントを繰り返してなお正確なボール運びやラストパス、シュートに持ち込めるのは特別な才能である証だ。最終節を残して8ゴール8アシストの数字は立派だが、数字に表れない部分での貢献度も高い。E-1選手権で町野修斗(湘南ベルマーレ)らとA代表入りを果たしたが、カタールW杯後の活動ではすぐにでもフルメンバーに入ってきてほしい。そのためにも、さらなる成長に期待する。
■田中 聡
(湘南ベルマーレ→KVコルトレイク/MF/2002年8月13日生まれ、20歳)
今季リーグ成績:17試合0得点(J1)/8試合0得点(ベルギーリーグ)
すでにベルギーの地に挑戦の舞台を移したが、中盤での存在感という意味では飛び抜けていた。ボールを奪う能力が高く、味方がボールロストしても即時奪回から逆にカウンターのチャンスを呼び込んでしまう。左利きのキックはもともと目を見張ったが、本人は「まだまだ」と言うものの組み立てにも成長が見られた。「遠藤航の後継者」としても期待が懸かる。コルトレイクから即戦力としてオファーが届いたのは、主力としての起用法に表れている。直近2試合は欠場しており気掛かりだが、彼も松木と同じくパリ五輪を待たずしてA代表入りを果たしてほしい選手だ。
■藤井陽也
(名古屋グランパス/DF/2000年12月26日生まれ、21歳)
今季リーグ成績:30試合1得点
名古屋は上位躍進が期待されながらも、長谷川健太監督の1年目ということもありやや不安定なシーズンとなった。それでも、オーストラリア代表GKランゲラックを擁する守備陣は強固だった。中谷進之介、丸山祐市というJトップレベルのセンターバックに加わったのが藤井だ。3バックの中央で左右の2人をカバーしながら、局面での積極的なボール奪取、空中戦と地上戦でデュエルの強さを発揮した。ここに来てワイドのポジションでも起用されるが、さらにプレーの幅を広げて吉田麻也(シャルケ)の系譜を継いでほしい。あと1週間生まれ年が遅ければパリ五輪世代の“超谷間“の境遇だが、今後の成長次第ではライバルたちをごぼう抜きし、A代表も狙えるタレントだ。
河治良幸
かわじ・よしゆき/東京都出身。「エル・ゴラッソ」創刊に携わり、日本代表を担当。著書は「サッカーの見方が180度変わる データ進化論」(ソル・メディア)など。NHK「ミラクルボディー」の「スペイン代表 世界最強の“天才脳”」を監修。タグマのウェブマガジン「サッカーの羅針盤」を運営。国内外で取材を続けながら、プレー分析を軸にサッカーの潮流を見守る。