森保ジャパン、中山&冨安の負傷でW杯へ暗雲 代役候補は誰に?…守備メンバー以外なら原口元気の招集も一考の余地

DF以外の選手では原口の招集が最も有力? 緊急事態にどのような対応を見せるか

 1998年フランスW杯の際には、FW三浦知良(鈴鹿ポイントゲッターズ)からFW城彰二氏に世代交代をしたが、城氏は3-2で勝利したジョホールバル(マレーシア)のプレーオフでイラン代表からゴールを決めるなど、実績も残していた。それでも本大会では、過去に感じたことのない重圧に襲われたと語っていた。すでに欧州の舞台で日常的にプレーしている上田は、より適応しやすいかもしれないが、大迫がいることでプレッシャーを取り除く役割を果たすことにもなるかもしれない。

 また、最前線でボールを収める力が高い大迫が入ることは、試合前の情報戦という点でも有意義に思える。今回の招集メンバーを見て、9月の欧州遠征での戦い方がベースになると予想している人は少なくないだろう。浅野が負傷中であることを考えると、前線から絶え間なくプレッシングをかけられる前田が軸になることが有力だ。ここに大迫の名前が入ってくれば、対戦相手は日本が最前線にスピードタイプの選手を置くのか、ポストプレータイプの選手を配置してくるのか、読みにくくなるはずだ。

 その一方で、大迫を外す決断というのは、コーチングスタッフ内でも十分に議論がされた末のことだったはず。ここで大迫を追加招集すると、チーム外だけでなく、チーム内からも「戦い方が定まっていないのか」「世論に押されて考えが揺らいだのか」と、疑念を持たれる可能性もある。DFの選手が負傷したのに大迫が入ることになれば、監督からの信頼を感じていたであろう上田の心境にも、影響が出るかもしれない。

 チーム内に細心の気を配る森保監督が、そうした決断をするとは考えにくい。最初に招集した選手たちへの影響も考えると、DF以外の選手では、9月のドイツ遠征のアメリカ戦(2-0)で、3バックの際にウイングバックでも起用された原口の招集が最も有力なのではないだろうか。実力は証明済みであり、W杯を戦った経験値もある。複数のポジションで、先発でも途中出場でも起用できる。所属クラブが現在ブンデスリーガでバイエルン・ミュンヘンを抑えて首位に立っている現状を見ても、呼ばない理由はないように思える。

 Jリーグが今週末に終わることから、他国よりも早い段階でメンバー発表を行った日本。あらゆることを想定して選んだ選手が、早くも揃わなくなってしまったが、森保監督はこの緊急事態にどのような対応を見せるか注目される。

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