森保ジャパン「理想布陣」を日本代表OBが考察 W杯ドイツ撃破へ、「世界最高峰」の能力を持つキーマンは?

W杯では9月のアメリカ戦がベースに?【写真:Getty Images】
W杯では9月のアメリカ戦がベースに?【写真:Getty Images】

【専門家の目|金田喜稔】ドイツ代表戦の勝機…理想的なサッカーとは?

 森保一監督率いる日本代表が11月1日、同月20日に開幕するカタール・ワールドカップ(W杯)の大会登録メンバー26人を発表した。「天才ドリブラー」として1970年代から80年代にかけて日本代表でも活躍し、解説者として長年にわたって代表チームを追い続ける金田喜稔氏は、大会初戦で激突するドイツ代表について「付け入る隙は大いにある」と分析し、森保ジャパンの“理想布陣”について語った。(取材・構成=FOOTBALL ZONE編集部)

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 スタメン争いについては、大前提として「どういう戦い方をするか」による。それを抜きに誰が最適とは言い切れないが、戦い方のベースとなるのは9月のアメリカ戦(2-0)ではないかと思う。

 初戦のドイツ代表戦。個人的には付け入る隙は大いにあると思うし、ネーションズリーグでも格下と見られたハンガリーに0-1で敗れている。ドイツのブンデスリーガで戦っている日本人選手たちは「普通に戦える」と思っているかもしれない。ただ、この初戦に負けるとグループリーグ突破の確率がぐっと下がる。それは全員理解しているはずなので、当然負けない戦い方がベースとなる。最低でも引き分けで勝ち点1。つまり失点しないで、どう勝機を見出すか。

 プレッシングサッカーをベースに理想布陣を考えると、4-2-3-1で1トップは前田大然(セルティック)の可能性が高い。浅野拓磨(ボーフム)が回復していれば先発もあるだろう。どちらにせよ高い位置からプレスをかけ、ボール奪取や相手のミス誘発を狙いながら、相手の守備組織が整う前にフィニッシュまで持っていくサッカーが理想だ。

 トップ下は鎌田大地(フランクフルト)。そこにいることで相手に脅威を与えられるし、高い位置でボールを奪った際にも1プレーで局面を変えられる。ドイツでも注目される選手にまで成長した鎌田を使わない手はないだろう。

 中盤の左は、個人的には三笘薫(ブライトン)を先発起用してほしいが、無難にいくなら南野拓実(ASモナコ)か。勝負どころで三笘のジョーカー起用も悪くはないだろう。右は伊東純也(スタッド・ランス)。久保建英(レアル・ソシエダ)や堂安律(フライブルク)らも含めて、2列目で誰が出ても前線からハードワークが求められる。

 2ボランチは遠藤航(シュツットガルト)と守田英正(スポルティング)。最終ラインは中央に吉田麻也(シャルケ)と冨安健洋(アーセナル)。左に長友佑都(FC東京)、右に酒井宏樹(浦和レッズ)が並び、経験豊富な2人が脇を固める。GKは権田修一(清水エスパルス)というのが基本線だろう。

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金田喜稔

かねだ・のぶとし/1958年生まれ、広島県出身。現役時代は天才ドリブラーとして知られ、中央大学在籍時の77年6月の韓国戦で日本代表にデビューし初ゴールも記録。「19歳119日」で決めたこのゴールは、今も国際Aマッチでの歴代最年少得点として破られていない。日産自動車(現・横浜FM)の黄金期を支え、91年に現役を引退。Jリーグ開幕以降は解説者として活躍。玄人好みの技術論に定評がある。

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