W杯4大会連続選出の長友佑都に「若い選手は太刀打ちできない」 日本代表OBが「本当に尊敬する」と絶賛する理由
【専門家の目|金田喜稔】長友は「売り出し中の若手のような気迫がみなぎっている」
森保一監督率いる日本代表が11月1日、同月20日に開幕するカタール・ワールドカップ(W杯)の大会登録メンバー26人を発表した。「天才ドリブラー」として1970年代から80年代にかけて日本代表でも活躍し、解説者として長年にわたって代表チームを追い続ける金田喜稔氏は、フィールドプレーヤー最年長のDF長友佑都(FC東京)を「ワールドクラスの化け物」と絶賛。ここ一番での存在感について「若い選手は太刀打ちできない」と評している。(取材・構成=FOOTBALL ZONE編集部)
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長友のここ一番という時の集中力、粘り強さ、1対1の守備は今でも際立つ。まるで売り出し中の若手のような気迫がみなぎっているし、戦う気力の充実ぶりは、これまでのアジア予選などを通じて証明してきた。長友がハマった時の守備や気迫は圧倒的で、若い選手は太刀打ちできないものがある。
左サイドバック(SB)が主戦場になるが、右SBにも対応できるのも魅力。左SBのスタメン争いは、長友と中山雄太(ハダースフィールド・タウン)になると思うが、そこに伊藤洋輝(シュツットガルト)も絡んでくる。
確か2018年のロシアW杯の時、長友は金髪にしてチームを盛り上げていた。きっとチームを盛り上げてくれるはずだし、今回は髪色をサムライブルーあたりにしてくるのかもしれない。
やっぱり彼は何か持っている選手だし、チームにいると安心する存在。先輩・後輩関係なくイジるし、イジられ役にもなる。そうした存在感やキャラも、長友自身が築き上げたものであり、W杯でもどうやってチームの集中力を高めるか、どう貢献するかは彼なりに考えていると思う。そういう意味での“長友効果”というのはあるはずだ。
チームにいい影響を与える力を持っているし、自身もまだまだハイパフォーマンスを見せられる。そんな36歳は世界を見渡してもそう多くない。率直に言ってワールドクラスの化け物、モンスターだ。26年W杯も狙えるぐらいエネルギッシュだし、本当に尊敬する。
こういうベテランがいてどっしり構えてくれることで、若手も思い切って伸び伸びとプレーできる。そうした効果も森保監督は期待しているのではないかと思う。
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森保ジャパンは、カタールW杯のグループリーグ第1戦でドイツ代表(11月23日午後4時/日本時間午後10時)、第2戦でコスタリカ代表(同月27日午後1時/日本時間午後7時)、第3戦でスペイン代表(12月1日午後10時/日本時間2日午前4時)と対戦する。
2010年大会から4大会連続で選出された長友は、GK川島永嗣(ストラスブール)、MF長谷部誠(フランクフルト)と並び、日本人としてW杯歴代最多タイの11試合出場。カタール大会での活躍とともに、最多出場記録更新にも期待が懸かる。
金田喜稔
かねだ・のぶとし/1958年生まれ、広島県出身。現役時代は天才ドリブラーとして知られ、中央大学在籍時の77年6月の韓国戦で日本代表にデビューし初ゴールも記録。「19歳119日」で決めたこのゴールは、今も国際Aマッチでの歴代最年少得点として破られていない。日産自動車(現・横浜FM)の黄金期を支え、91年に現役を引退。Jリーグ開幕以降は解説者として活躍。玄人好みの技術論に定評がある。