W杯メンバー落選の原口元気が明かしていた強い決意と届かなかった思い 「ブンデス首位チームでもう1回ポジションを奪えば…」

口にした決意「ブンデスリーガ首位でレギュラーを張っている選手を出さない手はない」

 W杯への思いは、とてもとても大きかった。でも、届かなかった。ELのマルメ戦後のミックスゾーンで原口が強い決意を口にしていたのを思い出す。

「もう1回ね、ブンデス首位っていう強いチームでね、もう1回自分自身がポジションを奪えば、正直W杯に向けてすごくいいアピールになると思う。ブンデスリーガ首位でレギュラーを張っている選手を出さない手はないと思う。僕自身しっかりレギュラーとしてW杯に行くことが大事だなと思っています」(原口)

 ここのところ好パフォーマンスを続け、あと少しでスタメンを手にできるところまできていた。叶わなかった思い。目前で閉ざされた扉を前に憤り、悲しみに打ちひしがれているかもしれない。

 それでも、きっと原口はまた立ち上がる。ウニオンは現地時間11月3日にELグループステージ最終節ロイヤル・ユニオン・サン=ジロワーズ(ベルギー)と決勝トーナメント進出を懸けた戦いに挑む。クラブ史上初となるグループステージ突破のために、原口はいつものように全力でのプレーを見せてくれるはずだ。サッカーは続いていく。そして原口の戦いもまた、これからも続いていくのだ。

中野吉之伴

なかの・きちのすけ/1977年生まれ。ドイツ・フライブルク在住のサッカー育成指導者。グラスルーツの育成エキスパートになるべく渡独し、ドイツサッカー協会公認A級ライセンス(UEFA-Aレベル)所得。SCフライブルクU-15で研修を積み、地域に密着したドイツのさまざまなサッカークラブで20年以上の育成・指導者キャリアを持つ。育成・指導者関連の記事を多数執筆するほか、ブンデスリーガをはじめ周辺諸国への現地取材を精力的に行っている。著書『ドイツの子どもは審判なしでサッカーをする』(ナツメ社)、『世界王者ドイツ年代別トレーニングの教科書』(カンゼン)。

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