前田大然の“守備評価”に反町委員長が持論「かわいそうといえば、かわいそう」 攻撃面の“良さ”指摘
松本山雅FC時代に指導「うまく生かすべく、私は指導してきただけ」
2020年に日本サッカー協会の技術委員会の委員長に就任した反町康治氏が、松本山雅FCの監督時代に指導し、今回のカタール・ワールドカップ(W杯)のメンバーに選出されたFW前田大然(セルティック)について11月2日のオンライン取材で語った。
【注目】白熱するJリーグ、一部の試合を無料ライブ配信! 簡単登録ですぐ視聴できる「DAZN Freemium」はここから
9月に行われたドイツ遠征でのパフォーマンスが高く評価されたことで、前田はW杯の最終メンバー26名に入ったと見られている。かつての教え子がW杯戦士になったことについて、コメントを求められた反町氏は、「大然の特徴として、みなさんがおっしゃられるのが『ディフェンスの力』、『プレスの力』。それはかわいそうといえば、かわいそう」と、アメリカ戦(2-0)でプレッシングの力を見せつけた前田について、決して守備的なだけではないと語った。
そして、「もちろんそれもありますが、攻撃の時にチャンスだと思った時に前に出る力、スピードをもって仕掛けるところ、クロスに対してニアサイドで相手の一つ前で触れるとか、そういう良さは、今の所属するセルティックでも出し切っていると思う」と、攻撃面での貢献についても強調した。
2021シーズンのJ1リーグで、前田は総スプリント数で1457回を記録。スプリント数は、時速24キロ以上のスピードで1秒以上走ったら記録されるものだが、実に1試合あたり約40回というとんでもない数字を叩き出している。
攻撃面を評価した反町氏だが、その上で「ああいうスピード系のタイプ、速筋繊維系のタイプは、なかなか連続してスピードを維持できない。一回走ったら歩く時間が長くなって、もう一回、今度はコントロールできたら、また行くというのがある。それが彼は連続して行ける。Jリーグでも計測しているスプリント数でも、ああいう感じになるんですよ。あれは彼の持っているポテンシャルであって、それをうまく生かすべく、私は指導してきただけ。それが今でも生きているのは、嬉しく思っている」と、最大の持ち味と評されるプレッシングができる理由について語った。
軸になると見られていたFW大迫勇也(ヴィッセル神戸)が26人の選手から漏れて、突出したスプリント能力を持つ前田とFW浅野拓磨(ボーフム)が名を連ねたFW陣。森保一監督がどのような戦いを見せるかを示す人選にも思えるが、前田はかつての恩師も見守るなかで、どこまで自分の持ち味を出し切れるだろうか。