「え、なんで?」 大迫、古橋、原口らW杯メンバー落選分析…“放棄したサッカー”とは? 金田喜稔が「理解できる」と語る訳

「原口の落選ポイントを挙げるなら…」と分析

 大迫や古橋の落選に理解を示した金田氏だが、その一方で、「今回、『え、なんで?』と思う落選組の選手がいるのも事実だ」と明かし、MF原口元気(ウニオン・ベルリン)の名前を挙げた。

「原口のことを僕はずっと評価してきた。要所でゲームを締めるクローザー的な役割を担い、短時間でも自身の与えられた役割を全うし、チームのために献身的な姿を見せ続けた。ピッチに立たずとも、チームを盛り上げる姿を何度も見ているし、モチベーターとしても原口の存在は極めて大きいと思っていた」

 では、落選した理由は何か。金田氏は自チームでの状況、主戦システムの変更、MF相馬勇紀(名古屋グランパス)の台頭があったと分析する。

「原口の落選ポイントを挙げるなら、まず自チームで出場機会が限られていて、“ベストパフォーマンスを期待できるかどうか”という点でやや不安があること。そして、4-3-3から4-2-3-1に再び主戦システムが切り替わり、原口の起用ポジションや起用法が限られ、そのうえで各ポジションの選手層も厚い点。ひょっとしたら森保監督は、台頭してきた相馬と原口で迷ったかもしれない。途中出場で起用するケースを考えた時、一定の守備力を有しつつ、攻撃での打開力という点で相馬が上回るため、そのあたりも加味されたように感じている」

 カタールW杯は史上初の11月~12月開催。今月5日にJ1リーグ最終戦を控える国内組は10日から現地カタールに入り調整し、海外組もクラブチームでの試合を戦い順次合流する。森保監督の割り切りが見えたメンバー選考のなか、本大会での戦いぶりに注目が集まる。

金田喜稔

かねだ・のぶとし/1958年生まれ、広島県出身。現役時代は天才ドリブラーとして知られ、中央大学在籍時の77年6月の韓国戦で日本代表にデビューし初ゴールも記録。「19歳119日」で決めたこのゴールは、今も国際Aマッチでの歴代最年少得点として破られていない。日産自動車(現・横浜FM)の黄金期を支え、91年に現役を引退。Jリーグ開幕以降は解説者として活躍。玄人好みの技術論に定評がある。

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