「型にはまらず規格外のプレーを」 冨安健洋の恩師が愛弟子へエール、「謙虚」な男の実像とは?
福岡U-15時代の恩師である藤崎氏が当時を回想「身長も高く、スピードもあった」
イングランド1部アーセナルのDF冨安健洋は、11月1日に発表されたカタール・ワールドカップ(W杯)の日本代表メンバー26人に選ばれ、自身初となる大舞台に立つ。アビスパ福岡U-15時代に指導した藤崎義孝トップチーム強化兼アカデミーテクニカルアドバイザーは、その謙虚な人柄の賜物だと語っている。
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冨安はU-15、U-18と福岡の下部組織で育ち、高校2年時のトップチーム2種登録を経て2016年に昇格。18年1月に海を渡り、ベルギー1部シント=トロイデン、イタリア1部ボローニャを経て、昨年8月から世界的名門のアーセナルでプレーしている。
ロシアW杯後の2018年夏にA代表デビューを飾り、瞬く間に守備の要として地位を築いた冨安。福岡U-15時代に監督として指導した藤崎氏は、「(冨安を)初めて見たのは小学6年生のジュニアユースのセレクションの時。すでに身長も高く、スピードもあって身体的に飛び抜けていた。派手さはないけど、堅実なプレーをしていた」と振り返る。
常に謙虚で、向上心あふれる姿勢は当時から変わらず、冨安の右肩上がりの成長曲線を支えていると藤崎氏は証言する。
「彼は気負うこともないし、偉ぶることもないし、満足することもない。(自分を)誰かと比較することもない。常に自分が向上することだけを考えて、謙虚にいる選手。『頑張れよ』と言っても、彼らしく気負わずに『頑張りすぎないように頑張ります』と答える(笑)。その時から日の丸を背負うとは思っていたとはいえ、やはりW杯のメンバーに選ばれるのは特別なので嬉しい。呼ばれるだろうなと思いつつも、(名前が呼ばれたのが)最後のほうだったのでドキドキしました(笑)。『おめでとう』『頑張ってね』とメッセージを送りました」
日本はグループリーグでドイツ代表、コスタリカ代表、スペイン代表と同居するタフな組み分けとなったなかで、史上初のベスト8進出を目指す。藤崎氏はかつての教え子に、熱いエールを送る。
「アビスパ出身選手がW杯のメンバーに選ばれるのは僕らにとっても誇り。クラブにとっては大きな財産で、アカデミーの選手たちにとっても道しるべになる。センターバック、右サイドバック、左サイドバックとプレーできて、攻撃もできる。親心のような気持で怪我なく頑張れよという思いと、今までの型にはまらず、規格外のプレー、アカデミーの選手たちが憧れるようなプレーを披露して、日本代表を引っ張ってほしい」
冨安は多くの人々の期待を背負い、カタールの地でハイパフォーマンスを誓う。