W杯メンバー、なぜ原口落選? 森保監督が苦渋の決断告白「伸びてきている選手がいることも大切に」
森保ジャパンで“便利屋”として起用されてきたものの、カタールW杯本大会メンバーから落選
日本代表の森保一監督は11月1日、今月20日に開幕するカタール・ワールドカップ(W杯)の日本代表メンバー26選手を発表した。これまでは2002年日韓大会のDF秋田豊、FW中山雅史を皮切りにFW巻誠一郎(06年ドイツ大会)、GK川口能活(10年南アフリカ大会)、FW大久保嘉人(14年ブラジル大会)、MF乾貴士(18年ロシア大会)などサプライズ招集が注目を集めてきたが、今回は意外な落選が目立つ結果となっている。
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今回のW杯は、例年とは異なりヨーロッパのサッカーシーズン真っただ中の冬に開催される。また、新型コロナウイルスの影響を受けて、各国の代表選手枠も23名から26名に拡大された。
森保監督は「これまでの23人から26人へ3人増員したことで、あらゆる想定をしたなか、日本のストロングポイントを少しでも出していける特徴を持った選手たちをプラスした。これまで23人の戦いの選択肢より、26人のほうが戦う選手たちの選択肢が多いと思う」と、コメントした。
この言葉からは、想定されるさまざまな状況により適したスペシャリストを多く選出したように思われた。だが、MF原口元気の落選を説明した森保監督は、23人から26人に増枠された影響ではないことを明かしている。
もともと自由奔放なドリブラーだった原口だが、キャリアを重ねるなかでプレースタイルを変えていき、現在は中盤をどこでもこなすマルチプレーヤーになった。これまでは森保ジャパンにも招集され続け、9月のドイツ遠征でもアメリカ代表戦(2-0)に最後の交代カードとして出場して、3バック時の右ウイングバックでプレーした。
「23人から26人になって、もっと選びやすくなるかと思ったが、そんなことはなかった」と言う森保監督は、経験値のある原口やFW大迫勇也らを外すことを悩んだことを吐露している。
「そこは本当に議論になった。W杯経験者がいなくなることは、メンバーを見た時に考えるポイントの1つとして話し合った。経験者の力を借りて戦いたいという選択肢も、まだ考えるところはある。経験者の経験は非常に大切だが、経験のない選手の成功したいという野心、エネルギーに期待してメンバー選考に至った」
さらに、「選べる人数が変わったからかどうかは、23人で考えたことがないので分からない。これまでの活動、現状、W杯を見据えてと何度か話しているが、今シーズンのパフォーマンスデータ、過去のトップパフォーマンスと今シーズンのデータも収集しつつメンバー選考につなげている」と、細かな分析をした結果であることを明かした。
そして、「原口元気の名前が出たなかで、彼らに頼りたいところはまだまだある。同時に、伸びてきている経験の浅い選手がいることも大切にしないといけない。プラス、W杯の長期での戦いで、さまざまな想定とチームとして戦う時に考えて結論を出した」と、若い選手たちのポテンシャルに期待をかけたことを重ねて説明した。