浦和DF酒井宏樹、急逝した工藤壮人さん追悼に抱いた思い 「これだけ近い人のことを思って黙とうをするのは…」
柏ユースからトップ昇格まで共にした同期
浦和レッズの日本代表DF酒井宏樹は、柏レイソルユースからトップチーム時代のチームメートで先日に亡くなった元日本代表FW工藤壮人さんについて、10月29日のJ1リーグ第33節の横浜F・マリノス戦後に「これだけ近い人のことを思って黙とうをするのは初めてだった」と沈痛な面持ちだった。
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J3テゲバジャーロ宮崎に所属していた工藤さんは2日の練習時間外に体調不良を訴え、翌日に医療機関を受診したところ、水頭症の診断を受けて入院。11日に手術を行い、容体悪化を受けて17日からICUにて治療に専念していたが、21日にクラブ側から死去が発表され帰らぬ人となった。
酒井は工藤さんと同じ1990年生まれで、柏ユースからトップ昇格まで共にした同期。それだけに、試合前の黙とうではこらえきれないものが見えた。試合後には「黙とうは何回もやっていますが、これだけ近い人のことを思って黙とうをするのは初めてだったので、難しいですね」と、言葉になり切らない思いを語った。
その上で工藤さんを含め同世代について「仲間と語ると色々と出てくると思いますけど、試合後にこれと言われても出てこないんですが、でもふざけあった部分があったので真剣な話をしなかったですし、サッカーも結果は気にしていましたけど、あまりサッカーの話をしてこなかったので。僕らの世代は仲が良いですけど、普通の話をしていた。工藤はリーダーだったので、常に輪の中心にいましたし、刺激というよりはお互いが刺激をしあっていた感じだった」と話している。
そして酒井は「凄い真っすぐな人間でしたし、仲間思いでした」と話した。
この1-4で大敗した横浜FM戦でリーグ戦の累積4枚目の警告を受けた酒井は、11月5日の最終節が出場停止になる。1日にはカタール・ワールドカップ(W杯)の日本代表メンバー発表が行われるが「選ばれるのがゴールではないですし、選ばれている想定で、どんなプレーができるか、どんなことがチームにもたらせるのかということを考えている。選ばれなければオフで、次に自分が求められる試合に全力でやるだけ」と、自然に受け止めていた。
(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)