「考えている時点で負けだったのかも」 浦和GK西川が感じた名手・中村俊輔の凄み
現役引退を表明した黄金レフティーの凄みに言及
浦和レッズの主将、GK西川周作が10月25日のトレーニング後にオンラインで取材に対応。現役引退が発表された元日本代表MF中村俊輔について、「そうやって考えている時点で負けだったのかな」と、現役時代の対戦について振り返った。
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西川はサンフレッチェ広島や浦和レッズでプレーしている時期に、一度欧州へと活躍の場を移してからJリーグに復帰して横浜F・マリノスやジュビロ磐田、横浜FCでプレーした中村と対戦している。また、日本代表では2009年と10年にチームメイトとしてプレーした。
「俊さん(中村)は代表で一緒もそうだし、フリーキック練習も数多く相手をさせてもらった」と話す西川は、キッカーとGKの関係性で対峙する時のことを回想して中村の凄みに触れている。
「試合でも凄いのを決められたこともあり、今までやってきた選手の中でフリーキック(FK)に立たれた時のオーラ、絶対枠に来るんだというオーラが一番だった。ペナルティーエリア付近でファウルがあると、そこに俊さんが立つだけでオーラが違いましたね。左右に蹴り分ける時のフォームが全く分からない。右でも左でも枠に来て、落とせるし無回転も蹴れる。本当にいろいろな技がある」
両者の対決では2015年のセカンドステージ第9節、横浜FMと浦和のゲームで前半28分に中村が西川から直接フリーキックを決めている。ペナルティーアーク付近で中央やや右より、助走から左足をコンパクトに当てたキックは、浦和の壁があるサイドから大きく曲がり落ちてサイドネットに吸い込まれた。西川の反応が遅れたようには見えないが、懸命に飛びついたその先に吸い込まれる芸術的な一撃だった。
その名手と対峙する時間について西川は、「(シュートを)受ける側としては考えさせられる。もしかしたら、そうやって考えている時点で負けだったのかなと思うこともありますね」と話した。それだけ、中村の左足は多くのGKたちにも忘れられない記憶を残していった。
(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)