「捕まえづらかった」 Jリーグ10年目のDFファン・ソッコが称賛、「印象に残る」ストライカー2人は?

サガン鳥栖のファン・ソッコ【写真:Getty Images】
サガン鳥栖のファン・ソッコ【写真:Getty Images】

【インタビュー】「重要な試合で決められた」興梠慎三と小林悠の巧みな駆け引きに言及

 J1サガン鳥栖の韓国人DFファン・ソッコは、現在Jリーグに所属する外国籍選手では3番目に長い日本10年目を迎えている。数々の選手とともにプレーしてきたなかで、「凄い」と印象に残った選手を聞いた。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・小田智史/全3回の2回目)

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 ファン・ソッコは韓国1部Kリーグでのプレーを経ず、大学卒業と当時に日本に渡ってプロキャリアをスタートさせた。1対1の強さを武器に、2012~14年に所属したサンフレッチェ広島では、J1リーグ2連覇を経験。その後、2年間在籍した鹿島アントラーズでは、“常勝軍団”の一員としてJ1リーグ、ルヴァンカップ(当時ナビスコカップ)、天皇杯と国内3大タイトルを手にしている。

 中国で1年間プレーしたのち、清水エスパルス、鳥栖に所属。Jリーグでのプレー歴は外国籍選手の中で、セレッソ大阪の韓国代表GKキム・ジンヒョンの14年目、柏のブラジル人FWドウグラスの11年目に次いで、3番目に長い10年目を数える。

 数々の選手と同僚としてプレーしてきたなかで、「広島、鹿島、清水、鳥栖、どのクラブでもいい先輩に恵まれ、人との出会いが僕を成長させてくれました」と語るファン・ソッコ。「いい選手、印象深い選手はたくさんいたので誰か1人を挙げるのは難しいです」と断ったうえで、影響を受けた2人の名前を口にした。

「広島在籍時にお世話になった中島浩司さんからはプロとしての姿勢を見て学ぶことが多かったですし、試合で負けて悔しい時に浩司さんから『サッカーはサッカーでしか返せないから』と言われたことは今でも記憶に残っています。そして、鹿島在籍時では小笠原満男さんから多くの影響を受けました。日々の言動も素晴らしく、常に戦うその姿は“常勝・鹿島”を体現していました。何歳になっても上手くなりたいと思うその姿勢から学ぶべきことが多かったです」

ファン・ソッコが「いい選手」とした挙げた興梠慎三(左)と小林悠(右)【写真:Getty Images】
ファン・ソッコが「いい選手」とした挙げた興梠慎三(左)と小林悠(右)【写真:Getty Images】

 J1リーグで通算220試合に出場しているファン・ソッコが、「いい選手」だと感じた対戦相手を尋ねると、すぐに日本国内を代表するストライカー2人が頭に浮かんだと明かす。

「抑えるのが難しかった選手は、興梠慎三選手と小林悠選手です。2人ともボックス内での駆け引きがとても上手く、常に危険な存在でした。スカウティングをして、しっかり対策をしても、結果的に彼ら2人に決められることがありました。対戦して、自分のチームが勝った時でも彼らにゴールを決められているので、勝った喜びより悔しさのほうが大きかったです」

 鳥栖は今季すでに北海道コンサドーレ札幌、川崎フロンターレとの対戦を終えており、興梠と小林とピッチ上で再び相まみえるのは来シーズン以降となるが、ファン・ソッコのアジャストにも注目したいところだ。

[プロフィール]
ファン・ソッコ/1989年6月27日生まれ、韓国出身。広島―鹿島―天津泰達(中国)―清水―鳥栖。J1通算221試合9得点。韓国代表通算4試合0得点。バネ、スピード、フィジカルを兼ね備え、1対1の強さに定評がある“闘魂”センターバック。広島時代にJ1優勝2回、鹿島時代にもJ1、ルヴァンカップ(当時ナビスコカップ)、天皇杯をそれぞれ1回ずつ制するなど、タイトル経験も豊富だ。2012年にロンドン五輪、14年にブラジル・ワールドカップと国際大会も経験。来日10年目、母国・韓国と同じく日本を愛する。

(FOOTBALL ZONE編集部・小田智史 / Tomofumi Oda)

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