森保ジャパンのW杯メンバー26人入り考察 “消去法”から導き出す期待の秘密兵器は?
9月シリーズで出番のなかった旗手に注目
相馬以外にももう1人、ダークホース候補ではないかと思う選手がいる。攻守のさまざまなポジションでプレーできて、多くの選手との連係に不安が少ない選手。東京五輪でも複数のポジションをこなし、重宝されていた。
ところが、森保監督は9月の日本代表戦で出場機会を与えなかった。そのためW杯メンバー入りはなくなったかと思えたが、実は秘密兵器を隠しておきました——ということになって旗手怜央(セルティック)がメンバーに入ることは考えられないだろうか。
順天堂大時代は1年で得点王に輝き、川崎フロンターレに入団後は守田、田中、三笘とプレー。五輪代表では吉田、遠藤、中山、堂安、久保、前田らとともに戦った。セルティックに移籍したため、2022年1月の日本代表候補合宿以降はしばらく日本代表から外れ、セルティックではデビュー戦でマン・オブ・ザ・マッチに輝く衝撃のデビューのあと、しばらく低迷が続いていたものの、今シーズンに入って復調の兆しを見せている。
相馬か旗手が滑り込めば、それは「サプライズ」と言っていいのではないか。
「いやいや、相馬も旗手もこれまで森保監督から呼ばれているから全然サプライズじゃないじゃん」というご意見、非常に分かります。確かに甘い!! やっぱり「サプライズ」ともなると、日本代表合宿を見に来ていた長谷部誠(フランクフルト)とか、森保監督がヨーロッパに行くたびに会うと語っていた香川真司(シント=トロイデン)とか、そのクラスが入らないと。
個人的には宮市亮(横浜F・マリノス)とか小林悠(川崎フロンターレ)とかカズ(鈴鹿ポイントゲッター)とか入ったら涙流すんですけどね。でもそうなってくると、「サプライズ」じゃなくて、程度がさらに上の「アストニッシュ」という言葉がサッカー界に出回ってしまうかも……。
(森雅史 / Masafumi Mori)
森 雅史
もり・まさふみ/佐賀県出身。週刊専門誌を皮切りにサッカーを専門分野として数多くの雑誌・書籍に携わる。ロングスパンの丁寧な取材とインタビューを得意とし、取材対象も選手やチームスタッフにとどまらず幅広くカバー。2009年に本格的に独立し、11年には朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の平壌で開催された日本代表戦を取材した。「日本蹴球合同会社」の代表を務め、「みんなのごはん」「J論プレミアム」などで連載中。