悔しさを知る広島ベテランMF青山敏弘、土壇場ドラマの“劇的初優勝”に万感 「こんな勝ち方は自分たちにしかできない」
ルヴァンカップ決勝、後半アディショナルタイムの2発でC大阪に2-1逆転勝利
J1サンフレッチェ広島は10月22日のルヴァンカップ決勝で、セレッソ大阪に2-1で勝利して大会初優勝を飾った。1点ビハインドを後半アディショナルタイムだけで逆転した勝利を収め、ベテランMF青山敏弘は「こんな勝ち方は自分たちにしかできない」と喜んだ。
青山は2004年から広島でプレーする“ワンクラブ・マン”で、これまでJ1通算400試合出場を超える出場実績を持つ。長年にわたって不動のレギュラーとして活躍してきたが、若手の台頭も著しいチームにあって、今季はスタメン出場する試合も数試合あったものの登録メンバー外の試合も多くなっている。
この決勝でも青山はベンチスタートとなり、最終的に出場機会はなかった。しかし、0-0で迎えたハーフタイムに控えメンバーたちがアップを終えてロッカールームに引き上げる際、青山はサポーターたちに向けて「もっと声援をくれ」とばかりに腕を振り上げた。その思いを「サポーターのみんなも悔しい思いを続けてきた。一緒に戦っていると示したかった」と話した。
広島は後半に先制を許すも、残り15分で相手が退場者を出すと猛攻を仕掛け、アディショナルタイムに2得点して逆転勝ち。その得点が決まったゴールは、青山が盛り上げた広島サポーターの前だった。
広島はルヴァンカップで2回の準優勝を経て初優勝。その悔しい2回も知るベテランは試合後の取材対応に優勝カップを持って現れ、「こんな勝ち方は自分たちにしかできない。自分らで引き寄せることができた。最高の気持ち。若手の頑張り、中堅、ベテランもそうだし、(ミヒャエル・スキッベ)監督も道筋を作ってくれた。チームワークや良さがマッチした」と喜んだ。
かつての絶対的な中心選手という立場ではなくなっているものの、広島のレジェンドであることに変わりはない。その喜びはカップを手にした充実感のある笑顔に表れていた。
(FOOTBALL ZONE編集部)