広島が劇的逆転! ルヴァン杯悲願の初制覇、ソティリウが土壇場2ゴール…C大阪に2-1勝利

ルヴァン杯を制したサンフレッチェ広島【写真:徳原隆元】
ルヴァン杯を制したサンフレッチェ広島【写真:徳原隆元】

国立競技場でC大阪と広島が激突、互いに譲らない展開に

 国内3大タイトルの1つ、ルヴァン杯の決勝戦が10月22日に国立競技場で行われ、セレッソ大阪とサンフレッチェ広島の対戦は、後半アディショナルタイムに2点を奪って逆転した広島が2-1の勝利で大会初優勝を果たした。

 前身のヤマザキナビスコ杯から第30回の記念大会となった今大会は2017年以来の優勝を狙うC大阪と、準優勝2回で三度目の正直での初優勝を狙う広島が勝ち上がった。試合前には、昨日に亡くなった広島への在籍歴もある元日本代表W工藤壮人さんへの黙とうも行われた。

 今季の公式戦では広島の3戦3勝の顔合わせだが、全体的に効率よくゲームを進めたのはC大阪だった。ハイプレスが持ち味の広島に対して上手く配置を取って局面を落ち着けながら、広島がラインを上げるタイミングで背後を狙い、逆に広島がラインを止めるか下げるタイミングでは手前を狙うメリハリある前進を見せた。

 そうした中でC大阪は前半4分には右サイドを切り崩したところからFW上門知樹が合わせるもシュートは枠外。直後にはペナルティーエリア内でFW加藤陸次樹が倒されて一度は山本雄大レフェリーがPKのホイッスルを吹いたが、その前のプレーでC大阪にオフサイドがあったことがオフサイドディレイとビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)のチェックで確認されてPKにはならなかった。

 その後は全体的にはC大阪が上手くゲームを運びつつも膠着した展開になり、0-0のまま前半を終了した。

 試合が動いたのは後半7分、広島の自陣左サイドからDF佐々木翔がGK大迫敬介に渡そうとしたバックパスが短くなり、C大阪の加藤がカット。ドリブルで持ち込んだ加藤はそのまま大迫もドリブルでかわし、無人のゴールにシュートを流し込んで1-0の先制点をマークした。

 ビハインドになった広島のミヒャエル・スキッベ監督は、FWピエロス・ソティリウを投入してFWナッシム・ベン・カリファとの2トップにシフト。一方でC大阪の小菊昭雄監督は、MF清武弘嗣と今大会ニューヒーロー賞のFW北野颯太を同時投入して前線のフレッシュさを保った。広島は後半30分に左サイドからのクロスをゴール正面でMF川村拓夢がヘディングで合わせる決定機を迎えたが、ボールはGKキム・ジンヒョンの正面に飛んだ。

 その直後、センターサークル付近でC大阪のDFマティ・ヨニッチがベン・カリファと競り合った後に乱暴な行為をしたとして、VARの進言でオンフィールドレビューが実施された。当初はヨニッチにイエローカードが提示されていたが、判定はレッドカードに変更されてC大阪は残り時間を10人で戦うことになった。

 残り時間はビハインドの広島が猛攻を見せた。すると後半アディショナルタイム、広島がゴール前での混戦からヘディングシュートを狙った場面でボールはC大阪のDF鳥海晃司の腕に当たった。当初はハンドの判定がなかったが、VARの進言でオンフィールドレビューがされてPKの判定に。これをソティリウが蹴り込んで土壇場の同点ゴールとなった。

 さらにアディショナルタイム中、広島はコーナーキックから味方が競った背後でソティリウがボレーで合わせて決勝ゴール。大逆転劇で2-1の勝利を収め、ルヴァン杯の初優勝を果たした。

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