J1浦和×札幌、レフェリーが不可解な対応? プレーストップ→ライン外の負傷選手の確認 元主審・家本氏「不思議な光景」
札幌DF菅大樹の選手交代における主審の対応を「Jリーグジャッジリプレイ」で検証
スポーツチャンネル「DAZN」の判定検証番組「Jリーグジャッジリプレイ」で、10月12日のJ1第27節、浦和レッズと北海道コンサドーレ札幌の試合において負傷した札幌DF菅大樹が交代するまでの手続きについて取り上げられた。
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ピックアップされたのは後半30分の場面で、浦和のチャンスシーンで菅が身体を張ってシュートブロック。その際に右足を痛めてしまい、ゴールラインから外に出た位置で倒れていたところ、谷本涼レフェリーがインプレー中のボールをストップして菅の状態を確認した。
さらに、周囲の選手から「×マーク」が出るなかでプレー続行不可能となった菅がピッチ内に戻ることを許可すると、プレー再開前にピッチ内で菅が倒れて込んでしまう。遅延行為とも取れる姿に浦和の選手たちがレフェリーへ抗議する場面もあったなかで、最終的に菅は担架で運び出され、それに合わせて選手交代も行われた。
浦和が0-1のビハインドで迎えた場面、さらに、残り時間が少なくなってきているタイミングでもあり、時間の浪費にも見える行為となってスタジアムは騒然。ゲスト出演した元日本代表MF中村憲剛氏は浦和の選手の立場を念頭に「なんで入れたんですか? という話になると思う。ここで時間がかかる。自分たちは早くゲームを再開したいということになるはず。最初から菅選手が外に出ているので、中に入れないというだけで済んだのではないか」と話した。
元国際審判員・プロフェッショナルレフェリーの家本政明氏も「不思議な光景」としたうえで、「選手(菅)が自ら出ていっているので、そこをなぜレフェリーがゲームを切ってまで確認する意味があったのかは分からない。配慮という意味で止めるのを悪いとは思わないが、止める必要性はなかった」としたうえで、「次にプレーが切れたタイミングで確認すればよかった。そして、そこで担架とスタッフを回し、冷たい言い方かもしれないけど『それはそれ』としてプレーを始めるのが通常の手続き」と話した。
また、谷本レフェリーが時計を止めているというジェスチャーは確認できたが、それがスタジアム内で共有されたわけではなかったという話題に対し、中村氏は「オーロラビジョンやテレビの中継画面に『時計を止めている』という表示があっても良いと思う。選手がレフェリーに時間は大丈夫ですかと確認すると、選手には伝えてくれる。それをスタジアムや画面の前のサポーターに分かりやすくするのは大事かもしれない」と、選手としての経験やサポーター目線での意見を話した。
家本氏は「レフェリーとしては『時計は止めている』という当たり前のことになっているが、それが周知徹底されているか、不安をどう解除できるかという点で笛を吹いて(大きなアクションで)時計が止まっているとすれば、また違ったと思う。反則かどうかなど競技規則のテクニカルなことではない部分もプロのゲームでは求められているのかと思う」と総括していた。