J2栃木×水戸の“2人同時レッド”に賛否、「乱暴な行為」の妥当性は? 元主審・家本氏が見解「粗暴さと判断するのは厳しい」

栃木と水戸の一戦で起きた2選手退場シーンに注目(写真はイメージです)【写真:Getty Images】
栃木と水戸の一戦で起きた2選手退場シーンに注目(写真はイメージです)【写真:Getty Images】

水戸FW安藤&栃木DFグティエレスの両者にレッドカードが提示

 スポーツチャンネル「DAZN」の判定検証番組「Jリーグジャッジリプレイ」で、10月15日のJ2第41節の栃木SC対水戸ホーリーホックの一戦で、後半2分に水戸FW安藤瑞季と栃木DFカルロス・グティエレスの両者にレッドカードが提示された場面が取り上げられた。

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 この場面では水戸が浮き球を敵陣に入れたところで、ワンバウンドしたボールに対して安藤がポストプレーを試みた。そこで背後からマークについてグティエレスが身体を抑え込むようにしたところで両者もつれて転倒。ボールは水戸につながって高崎航地レフェリーは直ちにホイッスルを吹かなかったが、その間に安藤とグティエレスが感情を露わにし、安藤がグティエレスの腹部を蹴ってしまった。

 高崎レフェリーは安藤にレッドカードを提示した後、グティエレスにも同様の措置を取って両者が退場処分になった。進行役の桑原学アナウンサーからは、公式記録では両者ともに「乱暴な行為」が退場の理由になっていると紹介があった。

 ゲスト出演した元日本代表MF中村憲剛氏は「安藤選手の乱暴な行為は全く許されるものではない。これはやってはならないことであるし、グティエレス選手は気の毒だとこのシーンを見ると感じる。誘発はしていないし、乱暴な行為があるかどうか。最初の競り合いがファウルだとは思うけれども、その後にレッドカード相当の何かがあったとは思えない」と話す。

 そのうえで中村氏は「最初にグティエレス選手の状態を(レフェリーが)確認しなければいけないと思う。1回ちょっと離れていっている。あの蹴られ方からして、まずはそこではないのか」と、高崎レフェリーの対応について話した。

 元国際審判員・プロフェッショナルレフェリーの家本政明氏は「(対立が始まる)最初の時点で(グティエレスが安藤の)足を払うような仕草が見える。それが起き上がる動作なのか、相手に嫌がらせをする行為なのか分かりづらい」としたうえで、レフェリーがボールが流れた先へと意識が移っている場面として「近くにいたとは言え、この状況をハッキリとは見ていないのではないか」と指摘した。

 さらに、スカウティング映像で第4審判の佐藤誠和氏がインカムに手を当てて話しながら走っていくところが見えるとして、「総合するとそこから主審に情報が伝わったのではないか」と推察。「栃木の選手が足を動かした行為が乱暴な行為にあたるかどうか、レッドカードにあたるような粗暴さと判断するのは厳しいと思う」として、「映像の上では(グティエレスへの)イエローカードと、(安藤への)レッドカードが良かったと思う」と話した。

 また、家本氏はこのように主審が確認できていないなかで別の審判員から情報を得た時の対応として、「原則としては笛で止めて、第4審判や副審のところまで行って協議したほうが良いと思う。その際にドクターを入れて負傷対応をしてもらいつつ、判定と対応は集まってした方が良いと思う」と話していた。

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