J2甲府、J1広島相手のアップセットで天皇杯初優勝 GK河田が延長後半&PK戦で値千金のセーブ

PK戦の末甲府が初優勝【写真:徳原隆元】
PK戦の末甲府が初優勝【写真:徳原隆元】

広島は6度目の決勝進出も優勝ならず

 第102回天皇杯全日本サッカー選手権の決勝が10月16日に日産スタジアムで行われ、J2勢から9大会ぶりの決勝に進出したヴァンフォーレ甲府とサンフレッチェ広島の一戦は、延長戦までを1-1で終えてPK戦の末に、甲府が初勝利を飾った。

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 準決勝までJ1勢を4チーム連続で撃破してきた甲府は、クラブ史上初、J2勢としては9大会ぶりの決勝進出と快進撃を見せてきた。一方の広島は、前身の東洋工業時代に3回の優勝経験があるものの、Jリーグ創設からサンフレッチェ広島のチーム名になってからは準優勝5回とわずかに栄冠に届いておらず、初優勝を狙う。

 立ち上がりは広島が甲府陣内で試合を進める時間が長くなったが、次第に甲府が試合のペースを握った。広島が自陣から組み立てようとするところにプレスをかけて精度を落とすと、奪ったところからワンタッチを織り交ぜた素早い攻撃を展開。前半15分にはMF長谷川元希が角度が狭いながらもゴール前まで進出してシュートを放ったが、広島GK大迫敬介がセーブした。

 甲府は準決勝までの勢いを表現するかのように積極的にゲームを運ぶと前半26分、ショートコーナーからペナルティーエリア内を深く切り崩した甲府は主将のMF荒木翔が出したマイナスの折り返しにFW三平和司が飛び越して先制ゴールを奪い取った。

 その後も広島はマイボールの質を高めることができず、甲府はショートカウンターからゴールに迫る形を作りつつ、前半を1-0のリードで折り返した。ビハインドの広島を率いるミヒャエル・スキッベ監督は、後半からFWドウグラス・ヴィエイラとMF森島司に代え、FWナッシム・ベン・カリファとMFエゼキエウを投入した。

 広島がボールを制圧する展開になった中で甲府の吉田達磨監督は、後半17分にプレスとキープで疲労度を高めていた前線を2枚替え。先制ゴールの三平もここで退いた。一方で、ボールを持ちながら突破できない広島のスキッベ監督は後半25分に両ワイドを揃って交代し、運動量の差をつけにかかった。

 ボールを制圧されながらも組織的には崩れない甲府は後半29分にカウンターから途中出場のFWウィリアン・リラが強烈なミドルを放つもクロスバーを直撃。マイボールの時間の短さから、プレーが切れた時に足を伸ばす選手が出るなど体力的には厳しくなった甲府に対して広島は後半39分、左サイドでポイントを作るとペナルティーエリア内まで入り込んだMF川村拓夢が強烈な左足シュートでニアサイドを射抜いて同点ゴール。激戦は1-1のスコアで延長戦にもつれ込んだ。

 広島は延長前半開始直後にMF満田誠が直接狙ったフリーキックがクロスバーを直撃。その後も広島が攻撃回数を増やし、延長後半の残り5分を切ろうかというところでゴール前へのパスに甲府がハンドの反則となりPKの判定。これを満田がゴール左に狙ったが、甲府GK河田晃兵がファインセーブして決勝ゴールを許さず、試合をPK戦に持ち込んだ。

 両者が3本ずつ成功して迎えた4人目、先攻の広島は同点ゴールの川村がキッカーを務めたが河田がストップ。甲府は5人全員が決めて、初優勝を飾った。

 J2勢の優勝は第91回大会のFC東京以来だが、当時は京都サンガF.C.とのJ2勢対決だったため、J1勢を決勝のアップセットで破ってJ2勢が優勝するのは史上初の快挙となった。

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