天皇杯決勝は1-1で延長戦突入 1点ビハインドの広島が土壇場で起死回生の同点ゴール
後半39分、広島MF川村が同点ゴールで1-1に追い付く
第102回天皇杯全日本サッカー選手権の決勝が10月16日に日産スタジアムで行われ、ヴァンフォーレ甲府とサンフレッチェ広島の一戦はJ2勢から9大会ぶりの決勝に進出した甲府の対戦は、甲府が前半に先制するも広島が残り6分で同点ゴール。1-1の同点で延長戦にもつれ込んだ。
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準決勝までJ1勢を4チーム連続で撃破してきた甲府は、クラブ史上初、J2勢としては9大会ぶりの決勝進出と快進撃を見せてきた。一方の広島は、前身の東洋工業時代に3回の優勝経験があるものの、Jリーグ創設からサンフレッチェ広島のチーム名になってからは準優勝5回とわずかに栄冠に届いておらず、初優勝を狙う。
立ち上がりは広島が甲府陣内で試合を進める時間が長くなったが、次第に甲府が試合のペースを握った。広島が自陣から組み立てようとするところにプレスをかけて精度を落とすと、奪ったところからワンタッチを織り交ぜた素早い攻撃を展開。前半15分にはMF長谷川元希が角度が狭いながらもゴール前まで進出してシュートを放ったが、広島GK大迫敬介がセーブした。
甲府は準決勝までの勢いを表現するかのように積極的にゲームを運ぶと前半26分、ショートコーナーからペナルティーエリア内を深く切り崩した甲府は主将のMF荒木翔が出したマイナスの折り返しにFW三平和司が飛び越して先制ゴールを奪い取った。
その後も広島はマイボールの質を高めることができず、甲府はショートカウンターからゴールに迫る形を作りつつ、前半を1-0のリードで折り返した。ビハインドの広島を率いるミヒャエル・スキッベ監督は、後半からFWドウグラス・ヴィエイラとMF森島司に代え、FWナッシム・ベン・カリファとMFエゼキエウを投入した。
広島がボールを制圧する展開になったなかで甲府の吉田達磨監督は、後半17分にプレスとキープで疲労度を高めていた前線を2枚替え。先制ゴールの三平もここで退いた。一方で、ボールを持ちながら突破できない広島のスキッベ監督は後半25分に両ワイドを揃って交代し、運動量の差をつけにかかった。
ボールを制圧されながらも組織的には崩れない甲府は後半29分にカウンターから途中出場のFWウィリアン・リラが強烈なミドルを放つもクロスバー直撃。マイボールの時間の短さから、プレーが切れた時に足を伸ばす選手が出るなど体力的には厳しくなった甲府に対して広島は後半39分、左サイドでポイントを作るとペナルティーエリア内まで入り込んだMF川村拓夢が強烈な左足シュートでニアサイドを射抜いて同点ゴール。激戦は1-1のスコアで延長戦にもつれ込んだ。