久保建英の秘めた可能性をFC東京の関係者5人が証言 「自分の存在を言葉でもプレーでも表現できる」
大金直樹社長の証言
FC東京は、「育成型ビッグクラブを目指す」と公言してきた。その一環としてU-18、U-15といった年齢区分のシステムを見直し、久保のような才能ある選手を引き上げていく方針を固めたという。傑出した一選手がすでにクラブに対して計り知れない影響を与えているのかもしれない。
大金直樹社長は「正直、クラブとしてもこれまで、そうした選手を育ててきた経験がないから、分からない部分も多い。例えば武藤(嘉紀)はU-15年代から育ててきたが、彼とも違う。将来的な到達点として彼以上のタレントになってほしいと思っている」と語った。
久保のようなボーダーレスな国際的タレントを輩出していくことが、クレブとしての今後の目標となる。そのベンチマークとなるべき選手だということは間違いない。さらに言えば、「国際都市・東京」という環境がそれを後押しする。アジアやヨーロッパへと飛び出ていく選手や、逆輸入の選手も今後増えていくかもしれない。
「育成型ビッグクラブとしては、もちろんトップチームもプレゼンスを高めていかなければならない」
久保建英の未来は、今はまだまぶしすぎて見えない。ただし、足元に目を向ければ、一歩ずつ着実に歩みを続けていることが分かる。一つだけ確かなのは、日本サッカーの未来は、彼や彼ら10代が創っていくということだ。
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馬場康平●文 text by Kohei Baba