J1へのステップアップ候補生「J2タレント」7人 パリ五輪世代のホープ、“二桁得点”のエースFW、在籍3年目のバランサーら厳選
J1磐田から栃木へ武者修行中のDF鈴木、対人守備はJ1レベル
■橋本健人(DF/レノファ山口FC)
リーグ成績:34試合2得点
慶応大卒のルーキーだが、特別指定で2年間プレーしており、実質3年目という自覚を本人も持っている。チームの副キャプテンを任されているのがその証拠だ。左サイドのスペシャリストだが、戦術思考が非常に高い。チームのスタイルと戦況を掛け合わせながら、最適解を見出して行く。開幕当初はビルドアップに多く関わりながらボールを運んでチャンスに関わっていたが、4バックから3バックにチェンジしたこともあり、より受け手として高い位置から左足のクロスやミドルシュートに持ち込む意識が増し、チームの成績アップにもつながっている。課題は守備のデュエルなどの強度で、思い描く高みに行くために避けては通れない道だ。
■鈴木海音(DF/栃木SC)
リーグ成績:32試合0得点
パリ五輪世代のホープだが、トップ昇格したジュビロ磐田ではJ2だった昨年も出番に恵まれず、今年はチームがJ1に挑戦するなかで、J2の栃木に育成型期限付きで武者修行に出された。しかし、これが良い転機となり、持ち前のボールに強く行く守備に加えて、カバーリングやビルドアップでのリーダーシップも学んだ。読みが鋭く、最短距離で相手FWの進路をカットできるセンスはさすがで、対人守備に関してはすでにJ1で通用するはず。育成型だけに、残留争いに苦しむ磐田が夏場に呼び戻さなかった理由は謎だが、チェイス・アンリ(シュツットガルト)などとパリ五輪代表のセンターバックを競争していける逸材だけに、来季の動向が気になる。
(河治良幸 / Yoshiyuki Kawaji)
河治良幸
かわじ・よしゆき/東京都出身。「エル・ゴラッソ」創刊に携わり、日本代表を担当。著書は「サッカーの見方が180度変わる データ進化論」(ソル・メディア)など。NHK「ミラクルボディー」の「スペイン代表 世界最強の“天才脳”」を監修。タグマのウェブマガジン「サッカーの羅針盤」を運営。国内外で取材を続けながら、プレー分析を軸にサッカーの潮流を見守る。