J1へのステップアップ候補生「J2タレント」7人 パリ五輪世代のホープ、“二桁得点”のエースFW、在籍3年目のバランサーら厳選

山形の最終ラインを支えるJ2屈指のセンターバックにも注目

■山﨑浩介(DF/モンテディオ山形)
リーグ成績:39試合2得点

 パワフルなディフェンスとテクニカルなビルドアップを併せ持つJ2屈指のセンターバックだ。もともとフィジカル的な能力は高いように見られたが、愛媛FC時代は川井健太監督(現・サガン鳥栖監督)から攻撃のビジョンを学び、山形ではピーター・クラモフスキー監督の求める強度でクオリティーを高めている。チームが攻撃的なスタイルだけに、危険なカウンターを受けるシーンは多いが、素早く予測してカバーしながら、ボールを奪う守備でチームに流れを呼び寄せる。すでに26歳でやや遅咲きだが、もっと注目されても良いタレントだ。

■前田椋介(MF/水戸ホーリーホック)
リーグ成績:33試合1得点

 福島ユナイテッドFC、テゲバジャーロ宮崎とJ3で成長して今年がJ2初挑戦となったが、考えながらハードワークする水戸の中盤で主軸に定着している。同クラブから浦和レッズに移籍したMF平野佑一が担っていた役割に近いが、仲間と連動しながらのプレッシングはさらに鋭く、効果的なファーストパスでもチームに推進力をもたらす。相手からのプレッシャーにも強く、中盤におけるボールロストの少なさは目を見張る。地元の宮崎から強い覚悟で水戸加入を決めたという前田だが、インテンシティーに関してはJ2上位の水戸で中盤を仕切ってきた選手だけに、上のステージでも十分に通用する素地はある。

■河野諒祐(DF/ファジアーノ岡山)
リーグ成績:35試合0得点

 岡山が誇る右サイドのクロスマシーン。シンプルな縦の突破からスペースに出すクロスとピンポイントで合わせるクロスを蹴り分けて、ヘディングやダイレクトシュートの得意なFW陣のゴールをアシストしている。CKの右足キッカーも担える選手だが、JFLのヴェルスパ大分、J3のY.S.C.C.横浜などでもプレーしてきた“苦労人”だ。湘南ベルマーレのアカデミーからトップ昇格して、1試合だけJ1を経験したことがある。実に10シーズンぶりとなるJ1返り咲きを岡山で果たすことができるか。

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河治良幸

かわじ・よしゆき/東京都出身。「エル・ゴラッソ」創刊に携わり、日本代表を担当。著書は「サッカーの見方が180度変わる データ進化論」(ソル・メディア)など。NHK「ミラクルボディー」の「スペイン代表 世界最強の“天才脳”」を監修。タグマのウェブマガジン「サッカーの羅針盤」を運営。国内外で取材を続けながら、プレー分析を軸にサッカーの潮流を見守る。

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