森保ジャパン、発足後招集全122人リストから考察するW杯への“第1次選考” MF/FWに必要な人材は?
【識者コラム】MF/FWはポジション別で最多の71人とテストを繰り返した
いよいよカタール・ワールドカップ(W杯)メンバー登録の日がやってくる。10月21日には予備登録55人をFIFA(国際サッカー連盟)に提出しなければならない。グループリーグ初戦の24時間前までにアクシデントが起きた時は、本登録のメンバーをこの55人の中の選手と入れ替えることができる。
55人の中には誰が入るだろうか。ここに来て、これまで一度も呼ばれていない選手が入るとは考えられない。では、誰が今まで招集されていたか。それを今回はリストにして、この記事の最後に一覧にしておいた。
なお、メンバー発表のリストには入っていていたものの怪我などで辞退し、結局は代表活動に参加できなかった選手も、森保一監督の視野に入っていたということで名前を挙げてある。
これまで監督が招集したのは、GKが11選手、DFは38選手、MF/FWは71選手。森保監督がこれまで招集リストに名前を書き込んだ選手は120人。11のポジションを均等に呼べば、1/11で9%になるが、GKは9%、4バックのDFは32%、残り6つのポジションであるMF/FWは59%と、DFは選手がより絞り込まれ、MF/FWはより多くの選手が試されたというデータが出てくる。
新型コロナウイルス禍の影響で2020年は年間で4試合しかできず、また2021年以降もなかなか親善試合が組めないままW杯予選を戦わなければいけなかったことを考えると、よくこれだけの選手を手元で確認したと言えるだろう。
森保監督はこの前回メンバーを招集しつつ、次第に世代交代させてきた。この招集リストは、2018年以降の日本サッカーの変遷をそのまま反映しているのと同時に、選手たちにもこの4年間でさまざまな変化が起きたことがよく分かる。最初に招集された頃の冨安健洋は、所属チームがベルギー1部シント=トロイデンだったし、南野拓実はオーストリア1部ザルツブルクでプレーしていた。
2018年9月7日のチリ戦に向けて招集された23人のうち、海外組は8人。2019年1月のアジアカップに招集された23人になると12人が海外組になる。今では日本代表のほとんどが海外組になっており、海外組だけでも日本代表が組めるようになった。
森 雅史
もり・まさふみ/佐賀県出身。週刊専門誌を皮切りにサッカーを専門分野として数多くの雑誌・書籍に携わる。ロングスパンの丁寧な取材とインタビューを得意とし、取材対象も選手やチームスタッフにとどまらず幅広くカバー。2009年に本格的に独立し、11年には朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の平壌で開催された日本代表戦を取材した。「日本蹴球合同会社」の代表を務め、「みんなのごはん」「J論プレミアム」などで連載中。