J1浦和、2戦8失点の連続大敗から教訓 「失敗を踏まえて意思統一」で示した“1つの答え”
![浦和が鳥栖に2-0で勝利【写真:Getty Images】](https://www.football-zone.net/wp-content/uploads/2022/10/09134216/20221009_Urawa-Reds-Getty.jpg)
鳥栖戦で2-1勝利、手を焼いたハイプレスに対して手応え
浦和レッズは10月8日のJ1第32節サガン鳥栖戦に2-1で勝利した。公式戦2試合連続で手を焼いたハイプレスに対して、MF岩尾憲は「広島戦の失敗を踏まえて、前でプレーしようというのはチームとして意思統一できていた」と振り返る。
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浦和は9月25日のルヴァン杯準決勝第2戦セレッソ大阪戦を0-4、10月1日のサンフレッチェ広島戦も1-4と2試合連続4失点の大敗。共通点は、高い位置からプレスをかけてくる相手に対してビルドアップに不具合を起こしたこと。特に広島戦ではGK西川周作と岩尾のパス交換のところから失点もしていた。
一方で、この鳥栖戦では2トップのFWキャスパー・ユンカーとFWブライアン・リンセンの背後のスペースへシンプルにボールを蹴り込む回数が増えた。岩尾はこの転換について、失敗から学んだものがあると話している。
「相手がプレスをしたいならそれを利用して、キャスパーやブライアンのところは頑張ってもらわないといけないけど、そこで取られるのはチームとしてはOKと。うしろでリスク掛けて奪われるよりは、広島戦の失敗を踏まえて前でプレーしようというのはチームとして意思統一できていた。失敗なくして成長はないし、なぜ失敗したかは、相手の対策で自分たちの長所を出せないという、相手の力もある。そこで自分たちがどう引き出しを作っていくか。それが今後のいろいろな試合の展開になる」
このゲームでは特に右サイド側でMF大久保智明の周囲にできる数的優位やスペースを、早いタイミングでボールを送り込むことで有効活用した。先制点が大久保の突破からユンカーのゴールで生まれたのも自然な流れだった。岩尾はビルドアップに対するこだわりの悪い面が出た部分も認めている。
「ハイプレスに対しては、プランの段階でつなぐことに固執しているところもあった。それでは失敗したうえで難しいと理解して、どう解決するか、どこを基準にサッカーをするのかという点で、遅いという意見もあるとは思うけど、失敗しないと見つからないこともある。完璧に向かっていくための苦い薬をもらった。それをしっかり覚えて、苦みに耐えられる、何とも思わないようなプレーをできるようになるのが大切」
浦和は今月12日に北海道コンサドーレ札幌とリーグ戦の試合で対戦する。札幌もまたマンツーマン気味に高い位置からプレスをかけてくる特徴を持つチームだが、浦和が見つけた引き出しは機能するのか。少なくとも鳥栖戦では、2試合連続の大敗から1つの答えをピッチ上に示したと言えそうだ。