西川周作「強さがある」 J初先発の浦和FWリンセン、“遅れてきたラストピース”に膨らむ期待

浦和FWブライアン・リンセン【写真:轡田哲朗】
浦和FWブライアン・リンセン【写真:轡田哲朗】

バースデーゲームとなった鳥栖戦でJ1初先発の浦和FWリンセンが攻撃を活性化

 J1浦和レッズのFWブライアン・リンセンは、32歳のバースデーゲームとなった10月8日のJ1リーグ第32節サガン鳥栖戦でJ1初スタメン。自身にゴールこそ生まれなかったものの、明らかにチームの前線を活性化して2-1の勝利に貢献した。

【注目】白熱するJリーグ、一部の試合を無料ライブ配信! 簡単登録ですぐ視聴できる「DAZN Freemium」はここから

 リンセンは夏のウインドーでオランダの名門フェイエノールトから加入。西野務テクニカルダイレクター(TD)は「1年前から追いかけていた」「ラストピース」と話し、リカルド・ロドリゲス監督も「できればシーズンの最初からいてもらって、上を目指すのに必要な存在だった」と明かすなど、まさに浦和にとって念願の補強という選手だった。

 そのリンセンは7月に来日するも、下旬に行われたパリ・サンジェルマンとの国際親善試合で約8分間のプレーで右ハムストリングを負傷。長期離脱を余儀なくされ、10月1日のサンフレッチェ広島戦で途中出場し、ようやくJ1デビューを飾った。

 そしてこの鳥栖戦では初スタメンのピッチに立った。鳥栖が全体的に高い位置から人数をかけてボールを奪いにきたのに対し、浦和はリンセンとFWキャスパー・ユンカーの背後への飛び出しをシンプルに狙う回数も多かった。ロングボールの出し手にもなるGK西川周作が「彼は大きくない(170センチ)けど、見てのとおり非常に強さがある」と話したように、相手を抑え込んでキープする場面も、抜け出した先で相手と競り勝ってマイボールにする場面も目立った。

 そうした献身的な姿勢が目立ったリンセンについて指揮官は「まだチームに順応している途中でやるべきことがたくさんある。特に守備の部分、チームの決まり事をやってきた。試合の中では上手くやれた。今回の2トップは個の力があるし、チームと一緒に戦ってくれる。いいシチュエーションを試合の中で作れた。プレスはいつどういう時にかけるのかが伸びしろ。少し真ん中で構える形が多くなった。彼らは相手の背後のスペースに出ていくのも長けているので、それを狙いにした」と、よりチームに順応することを求めている。

 スタメンから後半15分までプレーしたリンセン自身は「かなり久しぶりにスタメンでプレーして、60分できた。この前は28分間のプレーだったし、スタートからのプレーは違うものなので慣れていかないといけない部分もある」と口にする。日本で迎えた32歳の誕生日だったが、「この歳になるとあんまりお祝いという感じにはならないね」と苦笑いしていた。

 オランダ1部リーグで通算100得点以上を決めてきた得点力の発揮はこれからになりそうだが、浦和の前線の中で献身性と当たりの強さを発揮できるリンセンは遅れてきたラストピースとして終盤戦で存在感を発揮しそうだ。

page1 page2

今、あなたにオススメ

トレンド

ランキング