森保ジャパン「最適布陣&スタメン」考察 ドイツ、コスタリカ、スペイン…W杯グループ3戦で採用すべきシステムは?
スペインとの3戦目は守備的システムが妥当か、三笘&鎌田らの途中投入を有効活用すべき
■グループリーグ第3戦:スペイン(FIFAランキング7位)
12月1日(現地時間22時・日本時間2日4時/ハリーファ国際スタジアム)
【採用布陣】5-2-3(5-4-1)システム
正直、3試合目は現時点で分からないので、ある種“ファンタジー”として読んでもらいたいが、引き分けでも突破が決まることを想定している。ドイツ戦のスタメンがベースだが、相手の消しどころが違ってくる。
1番の鍵はハーフスペースを攻略させないこと。5バックにしてそこにDF冨安健洋(アーセナル)とDF伊藤洋輝(シュツットガルト)が構える形にすれば、相当にスペインを困らせることができるはず。サイドラインの攻防はDF酒井宏樹(浦和レッズ)とDF長友佑都(FC東京)に任せて、サイドバックの攻め上がりにはFW浅野拓磨(ボーフム)とMF伊東純也(スタッド・ランス)が対応すれば良い。
MFセルヒオ・ブスケッツ(FCバルセロナ)からボールを奪うのは困難なので、動きに制限をかけつつ、MF遠藤航(シュツットガルト)とDF板倉滉(ボルシアMG)がMFガビやMFペドリ(ともにFCバルセロナ)に前を向かせないようにプレッシャーをかけていく。5バックにした意味はハーフスペース対策だけでなく、状況に応じて1人がボールを奪いに行けるメリットも考えてのもの。冨安や伊藤は前にも強いので奪いに行ける時には前に出て、それをDF吉田麻也(シャルケ)や酒井がカバーできる関係を構築したい。
攻撃はスピードのある3人をスペースに走らせるカウンターで一発仕留められたら大きい。スペインを攻めさせっぱなしにしないためにも、相手が下がりながら対応してきたら5バックを押し上げるが、ポゼッションからの得点は前半あまり期待する必要がない。後半、点を取りに行くのか、引き分けでクローズしに行くかは前の2試合の状況に寄るところが大きい。
得点を取りに行くなら後ろを削って前の人数を増やす必要はあるが、いずれにしても、相手が疲弊してきたところでMF三笘薫(ブライトン)、FW古橋亨梧(セルティック)、MF久保建英(レアル・ソシエダ)、MF鎌田大地(フランクフルト)などの投入はスペインの攻勢を削ぐにも効果的なので、有効活用するべきだ。
河治良幸
かわじ・よしゆき/東京都出身。「エル・ゴラッソ」創刊に携わり、日本代表を担当。著書は「サッカーの見方が180度変わる データ進化論」(ソル・メディア)など。NHK「ミラクルボディー」の「スペイン代表 世界最強の“天才脳”」を監修。タグマのウェブマガジン「サッカーの羅針盤」を運営。国内外で取材を続けながら、プレー分析を軸にサッカーの潮流を見守る。