J2甲府がクラブ史上初の天皇杯決勝に進出! 4チーム連続でJ1勢撃破の快進撃
前半にFW宮崎が挙げた1点を守り切る
第102回天皇杯全日本サッカー選手権の準決勝が10月5日に行われ、ヴァンフォーレ甲府が鹿島アントラーズに1-0で勝利。クラブ初の決勝進出を果たした。J2勢の準決勝突破は8大会ぶりとなる。
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初の準決勝進出となったJ2の甲府は3回戦で北海道コンサドーレ札幌、4回戦でサガン鳥栖、準々決勝でアビスパ福岡とJ1勢を相手に3連勝で勝ち上がってきた。一方の鹿島は“常勝軍団”とも呼ばれるがここ5シーズンはタイトルがなく、シーズン途中で就任した岩政大樹監督の下で6シーズンぶりのタイトルを狙う。
風雨の強まるカシマスタジアムでのゲームは前半10分前後で審判団の無線システムに不具合が起きて約6分間中断する珍事が起きたものの、熱戦となった。セットプレーを多く獲得しながら圧力を掛ける鹿島に対し、甲府は前半21分に右サイドの低い位置から左サイドを突破するところまでつなげる鮮やかな攻撃。最後はスルーパスに抜け出したFW三平和司が蹴り込んだが、際どいオフサイドの判定になった。
それでも甲府は前半37分、最終ラインからDF浦上仁騎が相手の背後にロングフィードすると、FW宮崎純真が相手との駆け引きで一気に抜け出した。宮崎は飛び出してくるGKクォン・スンテをかわして冷静にゴールに流し込んだ。勢いに乗る甲府が先制の一撃を決め、前半を1-0のリードで終えた。
岩政監督はハーフタイム明けにFWエヴェラウドとMF仲間隼斗を投入し、ゴール前に入り込める選手の数を増やした。鹿島はかなり一方的にボールを持って攻め込む展開を作ったが、組織的な5-4-1のブロックを形成する甲府に手を焼いた。後半22分にはクロスにエヴェラウドが合わせるヘディングシュートがあったものの、GK河田晃兵がファインセーブでしのいだ。
防戦一方になっていた甲府の吉田達磨監督は、残り15分を前に最前線をブラジル人FWウィリアン・リラに変更。DF野澤陸も投入し、185センチの長身選手を2人ピッチに置いてセットプレーなどでの高さも補う采配を振るった。
後半の甲府はほとんど攻撃機会がなかったものの、粘り強く守り切ってこのまま1-0の勝利。J1勢を4チーム連続で撃破してクラブ初の決勝進出を果たした。J2勢が天皇杯の決勝に進出するのは第94回大会のモンテディオ山形以来。16日に日産スタジアムで行われる決勝では、この後に行われるサンフレッチェ広島と京都サンガF.C.の勝者と対戦する。