データで実証された“闘莉王効果” 名古屋を変えた「成功率100%」の空中戦とロングパス
正確なビルドアップで攻撃をサポート
そしてチームへの貢献度の高さは、守備面だけに止まらない。持ち前のキック精度の高さは健在で、正確なビルドアップで攻撃を後方から支えた。[表3]で示した通り、名古屋の4バックの中でミドルレンジとロングレンジの合計パス成功率がトップを記録。特に前半14分に左サイドのハーフウェーラインを越えた位置から、右サイドのFW矢野貴章に正確なサイドチェンジパスを通すなど、ロングレンジのパスは3度試み、すべて成功させている。
前半29分にCKから生まれたFW川又堅碁の決勝点の場面でも、ゴール前に飛び込んだ際に相手の長身FW指宿洋史をブロックする形となり、陰ながら得点を“演出”。闘莉王の復帰初戦で、じつに19試合ぶりに勝ち点3を奪った名古屋は、年間順位は依然として降格圏内の16位に沈んでいるものの、15位ヴァンフォーレ甲府との勝ち点差を4に詰めた。ベストコンディションに程遠いとはいえ、チームに帰還した闘将が残り6試合でも攻守に持ち味を発揮できれば、名古屋の逆転残留への道は切り開かれるはずだ。
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データ提供元:Instat
【了】
フットボールゾーンウェブ編集部●文 text by Football ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images
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