黒星発進のフットサル日本代表、木暮監督が「先発ヴィニシウス」にこだわる理由とは?
ブラジルとの第2戦で先発を外れるものの、バーレーンとの親善試合から先発に復帰
フットサル日本代表は、9月28日に行われたAFCフットサルアジアカップ(アジア杯)初戦でサウジアラビアと対戦し、1-2で敗れた。サッカーも強いサウジアラビア代表だが、近年はフットサルにも力を入れ始めている。とはいえ、これまでアジアで2か国しかない優勝経験国の一国である日本に対し、過去のアジア杯で一度も勝利したことのないチームが挙げた大金星は、驚きをもって報じられた。
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チーム全体のパフォーマンスが高くなかったとはいえ、この試合で気になったのはFPクレパウジ・ヴィニシウスの扱いだ。今大会の前に日本代表は国内でブラジル代表と国際親善試合を2試合、戦っている。この第1戦はサウジアラビア戦と同じ先発メンバーで戦ったのだが、この時は先制点の場面を含め、ヴィニシウスの守備面の甘さを突かれる場面が目についた。
第2戦で木暮賢一郎監督はヴィニシウスを先発から外した。最終的にチームは1-5と、初戦と同じスコアで敗れたものの、ブラジルとの連戦で代表デビューを果たしたFP水谷颯真は素晴らしいパフォーマンスを見せ、ほかの名古屋オーシャンズの選手たちとスタートするなかで力を出せることを示していた。
このブラジル戦で、経験豊富なヴィニシウスといえども、あまり慣れていない舞台の先発はリスクがあることが見えていたが、アジア杯前のバーレーン遠征で木暮監督はヴィニシウスを先発に戻した。その理由について、サウジアラビア戦翌日の練習後には「ゴールを持っているというところ」と、短く説明した。
実際にヴィニシウスが日本有数の得点者であることは、その数字が証明している。Fリーグ通算316試合に出場して316得点と1試合1得点のペースでゴールを挙げているが、F1だけで通算300得点を挙げている選手は、ほかにいない。その突出した決定力をアジアの相手に生かしたかったのは十分に理解できる。
また、ヴィニシウスは木暮ジャパンの象徴的な存在でもある。これだけの圧倒的な決定力を持ちながらも、ブルーノ・ガルシア前監督はヴィニシウスを一度も代表候補合宿にさえ、招集しなかった。得点力を認めながらも、自身の求めるハイプレスをこなせないという判断だった。
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