レアル中井卓大、カスティージャでの“立ち位置”は? 現地記者を直撃…英雄ラウール指揮下での起用ポジションに見解
【スペイン発コラム】アンチェロッティ監督が見守るなか、カスティージャデビューを果たす
現在、スペイン3部リーグ相当のプリメーラ・ディビシオンRFEF(3部)グループ1に属するレアル・マドリード・カスティージャにとって、今季の目標は2013-14シーズン以来となる10季ぶりのセグンダ(2部)復帰にほかならない。
監督を務めるのは、現役時代に741試合というレアル史上の公式戦最多出場記録を打ち立てたレジェンドのラウール・ゴンサレス。今季、チームを率いて4シーズン目を迎えている。
カスティージャは昨季のプリメーラRFEF・グループ2で、20チーム中トップという高い得点力を誇りながらも脆弱な守備が仇となり、最終的に38試合16勝8分14敗の勝ち点56という成績で10位に終わり、セグンダ昇格プレーオフに進出できなかった。今季はその弱点を克服することが最大の課題となりそうだ。
ラウールが今季、開幕から3試合を4-3-3、ここ2試合を4-4-2で戦うなか、チームの柱となるのは4得点と絶好調でトップチーム入りが近いとも言われるMFセルヒオ・アリーバス、すでに4アシストを記録しているサイドアタッカーのMFピーター・ゴンサレス、キャプテンを務めるボランチのMFカルロス・ドトール、CBラファ・マリンといった下部組織で育った既存の選手たちだ。
さらにボランチのMFハビエル・ビジャール、ロシアのウクライナ侵攻の影響により昨季後半、シャフタール・ドネツク(ウクライナ)から買い取りオプション付きの期限付き移籍で加入し、DFダニ・カルバハルのバックアップの呼び声高いブラジル人右SBヴィニシウス・トビアスなども期待されている。
そして注目が集まるのは、レバークーゼン(ドイツ)から買い取りオプション付きの期限付き移籍で獲得した、スペインサッカー界の将来を担う逸材である17歳のU-19スペイン代表FWイケル・ブラボだ。バルセロナの下部組織育ちで、昨夏レバークーゼンに移籍すると、昨年11月に16歳298日という若さでブンデスリーガデビューを達成。これは同リーグ史上2番目に若いデビュー記録である。
下部組織のフベニールA(U-19)から今季昇格したMF中井卓大はここ3試合連続でベンチ入り。そして第5節バダホス戦の終盤、ホームスタジアムで大勢のサポーターとトップチームのカルロ・アンチェロッティ監督が見守るなか、18歳でプロ公式戦デビューを飾った。短い時間のなか、ジネディーヌ・ジダン氏の三男・MFテオ・ジダンと4-4-2のダブルボランチを形成し、身体を張ったプレーで3-1の勝利に貢献した。
高橋智行
たかはし・ともゆき/茨城県出身。大学卒業後、映像関連の仕事を経て2006年にスペインへ渡り、サッカーに関する記事執筆や翻訳、スポーツ紙通信員など、スペインリーグを中心としたメディアの仕事に携わっている。