マンUのパニック補強の悪影響 暗闇に閉ざされたファルカオの未来とは

補強の目玉から一転

 “パニック・バイ”の生んだ悪循環が浮き彫りとなっている。オールドトラッフォードのスタンドから吐き出されるため息は、一層深くなりそうだ。
 英地元紙「サン」は、名門のお粗末な失策を伝えた。マンチェスター・ユナイテッド(マンU)は、今夏にモナコから期限付き移籍で獲得したコロンビア代表FWラダメル・ファルカオの買い取りオプションを行使しない可能性が浮上しているというのだ。
 ファルカオは、ここまで負傷の影響もあり、リーグ戦5試合出場1得点と、期待された成績を残すことができていない。この現状を受けたルイス・ファン・ハール監督とクラブは、これまで既定路線だったコロンビア人ストライカーの完全移籍での獲得に対し、消極的な姿勢を示し始めたという。
 彼とのローン契約内容は600万ポンド(約10億円)のレンタル料に加え、年俸は1400万ポンド(約24億円)。今季終了時に4600万ポンド(約79億円)の買い取りオプションもついている。
 ファルカオは、まだ汗ばむ季節に行われたインタビューで「私の思いや将来のプランはこのチームにある。私は、今後もずっとマンUにいたいと思っている」と、答えている。たどり着いたプレミア最高の劇場で輝く自分を想像していたのだろう。未来は、希望に満ちたものだったはずだ。
 だが、わずか数カ月で、その足場はぐらつき始めている。クラブ側は28歳という年齢や、チームへの適応に長時間かかるのではないかという懸念から、完全獲得への興味が冷め始めているもようだ。
 一方、英地元紙「テレグラフ」は、マンUの無駄遣いが生んだ別の失態を伝えた。元ブラジル代表MFアンデルソンの退団が決定的となっているというのだ。しかも、来年の1月までに移籍先が見つからなければ、クラブ側が140万ポンド(約2億5000万円)を支払い、契約解除しなければならないととなっている。
 「ロナウジーニョ2世」との呼び声が高かったアンデルソンは、2007年にマンUに入団し、加入当初は元イングランド代表ポール・スコールズの穴を十分に埋めるほどの働きをしていた。だが、継続的な活躍はできず、今年1月にフィオレンティーナへの期限付き移籍も経験。当時FCポルトからの購入金額は2600万ポンド(約47億円)という高額な取引であったが、今や完全な余剰戦力となっている。

page1 page2

今、あなたにオススメ

トレンド

ランキング